鮫川焼却炉爆発、日立造船、消防に通報せず

 鮫川村焼却炉の爆発事故、報道が始まりました。↓が一番早そう


仮設焼却施設でトラブル=放射線量に異常なし―福島・鮫川村

時事通信
829()211分配信
 環境省は29日、東京電力福島第1原発事故で飛散した放射性物質を含む稲わらなどの仮設焼却施設(福島県鮫川村)で、焼却灰を運ぶコンベヤーの覆いの一部が破断するトラブルがあったと発表した。灰が外部に飛散した形跡はなく、空間線量にも異常は見られないという。同省によると、同日午後2時半ごろ、コンベヤー部分で異常な音がしたため、焼却炉の稼働を停止した。施設の作業員にけがはなく、覆いが破断した原因を調査している

 事故発生は午後2時半。環境省の発表は午後7時過ぎ。メディアの報道はさらに遅く、しかも記事では、「爆発」を「トラブル」、「爆発音」を「異常な音」とし、「線量に異常はない」とするなど、環境省の意を受けた情報操作のいい例。で、下はフリージャーナリストの記事ですが・・・

福島・鮫川村の仮設焼却炉で爆発


関口
威人
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ジャーナリスト

2013829
2217

 環境省が除染廃棄物などの焼却処理実験を行うため、福島県鮫川村に設置した仮設焼却炉で29日午後2時半ごろ、大きな爆発音があった。同省によると、爆発は焼却炉から灰を取り出すためのコンベヤーで起こり、コンベヤーを覆う囲いの一部が破損。けが人はなく、焼却灰そのものは飛散していない。周辺の放射線モニタリングポストの値にも変化はないという。
 同施設は今月
19日に本格稼働したばかり。1キロ当たり8000ベクレルを超える放射性物質を含む稲わらや牧草などを平日の午前八時から午後五時まで搬入し、傾斜回転床炉という特殊な構造の焼却炉で焼却、灰をセメント固化して一時保管する計画だった。爆発は焼却炉本体からセメント固化装置の間で発生、詳しい原因は調査中だという。
プラントメーカーの日立造船の作業員が初期対応に当たり、環境省や消防、警察、村長を通じて住民らに連絡が回ったというが、「周辺住民に連絡は一切なかった」という住民もいる。環境省の報道発表も午後7時以降だった。廃棄物・リサイクル対策部は「連絡は手順を踏んで行った。早急に原因を突きとめるが、現時点で再稼働は未定」としている。
施設は着工後に住民説明会が開かれ、地権者の一部は同意書に判を押したことがないとして環境省などを相手に告訴状を提出するなど、住民から反発を招いていた。環境省は村を通じて住民に説明をしているというが、さらに反発を招くことは必至だ。
http://bylines.news.yahoo.co.jp/taketosekiguchi/20130829-00027681/

 ここにも「焼却灰そのものは飛散していない」なんてあるけどね、そんなはずはないの。
 コンベヤの覆いが爆発を受けて破損したわけだから(3メートルほどとの情報あり)、コンベアに載っていた高温の焼却灰も一瞬で飛散したのは間違いありません。周囲は放射能を含む灰で真っ白になったんじゃないかな。
 この施設は、汚染稲わらなどを高温焼却して、稲わらに含まれている放射能の一部をガス化し(これは大気中にほぼ全量スルー)、一部を焼却灰に濃縮させて保管するという「減容化施設」です。だから、環境省は、口が裂けても「焼却灰が飛散した」とは言えないわけ。だから、日立造船が消防に通報もせず、「初期消火」にあたったわけ(「初期対応」とはそういう意味)。本来、非常に危険な施設なのに、事故を想定した公害防止協定さえ結んでいなかったのは、鮫川村の無策も大きい。鮫川村の住民、どうよ、これでもまだ沈黙し続けるの? 2013.8.30

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/