高砂市、こりずにまた焼却炉?

  ごみ処理建設がラッシュですが、これは水銀条約の発効を前に、メーカーが事情を知らない市町村をだまくらかして、焼却炉の建替えを急がせているのではないでしょうか。

2015/4/23 05:30
 兵庫県高砂市は22日、市会広域ごみ処理施設対策特別委員会で、生活環境影響調査の計画に対する市民らの意見を明らかにした。ごみ処理施設建設に先立ち、大気の状態、騒音、振動、悪臭などを調べる予定だが、大気調査を広範囲で実施することや搬入ルートの渋滞予測などを求める声があった。同施設は高砂市梅井に建設される計画で、東播2市2町が2022年の稼働を目指して準備を進めている。調査期間は本年度から2年間。結果に基づき、2市2町は地域ごとにきめ細かな対策を検討するという。高砂市は調査計画書案を公表した上で、1、2月に意見を募集。市内外から4件13項目が寄せられたという。大気や渋滞予測のほか、同時期に近くで計画されている電源開発(Jパワー)の火力発電所建て替えの影響を調べるべき、という意見もあった。市は「当初案からの変更はないが、意見を踏まえ、計画に縛られ過ぎず、調査を進めたい」と話している。(神戸新聞 小林隆宏)

 高砂市といえば、三菱重工、三菱製紙、カネカ、神戸製鋼、サントリー、タクマなどがひしめく工業の街。その工業廃棄物である汚染物、PCBを抱え込んでしまった街としても有名です。さらに、2008年には、新設したばかりのガス化溶融炉(バブコック日立)に事故が続き、またもやマスコミの話題になりました。なのに今なお焼却炉に固執しているとは進歩がなさすぎ。
 高砂西港にはPCB汚染土を盛土にした小山があります。道路一本へだてて住宅地。集合住宅も高校も幼稚園もある。でもPCB汚染土のことを示す標識はないから、誰も知らないかも。
高砂西港盛立地のPCB汚染土 – Google体積で28万3千立方メートル。 重さにしておそらく50万トン。 高濃度のPCB汚染された土がこの場所に保存されている」(地図)
https://www.youtube.com/watch?v=Ig5fYHUS4YA#t=32
(動画、高砂西港PCB盛立地)
 これ↓は焼却炉事故をおったニュース番組。今となっては貴重な映像です。
https://www.youtube.com/watch?v=54MufdutLe4

 焼却炉は闇につつまれたビジネス。この件では高砂市議会が精力的に調査を行いましたが、施設はそのまま使われ続け、今年になってもダイオキシン超過事件を起こしています。

ダイオキシン:ごみ焼却施設で--高砂 /兵庫
2015年3月12日 毎日新聞 http://mainichi.jp/area/hyogo/news/m20150312ddlk28040318000c.html  高砂市のごみ焼却施設「美化センター」の2号炉で2月16日、市管理基準を超すダイオキシンが排出されていたことが分かった。昨年の1号炉に続き2度目で、2号炉は今月8日に運転を停止した・・・

 ガス化溶融炉と灰溶融炉の失敗は、この頃からあきらかになってゆくのですが、焼却灰の処理を考えて、いまだにガス化溶融炉を採用している市町村があるのには驚き。「水に流す」「灰にする」悪いクセはいいかげんやめてください。2015.4.23

 追申:昨日のワクチン勉強会には遅れてきた人々を加えて計15名ほどが参加してくださいました(おつかれさま!)。でも、8割は横須賀市民だったのに、長坂の焼却炉計画も、放射能汚染原子力空母ロナルド・レーガン号の母港化問題も知らない人がほとんど。焦りました。これはお母さんたちの注意力がないわけではなく、横須賀市は異常に市民周知を嫌がる自治体だからのようです。基地の街はウソばかりつく。2015.23

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/