「シナジス」の続きをアップしようとしていましたが、高浜原発の「異変」は無視できないので、急遽切り替えます。むりやり余命を延ばした原発の再稼働など、狂っていなければできない決定。日本の政治屋はみんな狂っているという証拠です。
高浜原発4号機が緊急停止 再稼働直後、変圧器で異常か
2016年3月1日01時23分 http://www.asahi.com/articles/ASJ2Y4V5TJ2YPLFA008.html
関西電力は29日、高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)で発電と送電を始めた直後に変圧器周辺でトラブルが起き、原子炉が自動で止まったと発表した。高浜4号機は20日に原子炉補助建屋で放射性物質を含む水漏れが見つかり、点検して26日に再稼働したばかりだった。3月下旬の営業運転開始をめざしていたが、遅れる可能性が出てきた。
関電は原因を調査中で、放射能漏れはないとしている。関電によると、高浜4号機の原子炉の熱で発生させた蒸気を使って発電機のタービンを回し、出力5%で送電を始めた29日午後2時1分、発電機と変圧器の故障を知らせる警報が鳴り、発電機が止まった。その1秒後に原子炉が自動で緊急停止し、核燃料の核分裂反応を抑える制御棒がすべて差し込まれたという。
関電はトラブルの詳しい原因を調べているが、送電線につながっている変圧器周辺で異常が発生した可能性が高いという。この変圧器は、タービン建屋の発電機で起こした電気の電圧を送電前に2万3千ボルトから50万ボルトに上げる設備。現場付近で火や煙などは出ていないという。関電の木島和夫原子燃料サイクル部長は29日の記者会見で、「非常に申し訳ない。原因を究明し対策をとりたい」と話した。
関電の原発で原子炉が自動停止したのは、2008年11月に美浜1、2号機が送電線への落雷の影響で停止して以来となる。高浜4号機は、99年10月に京都府内の変電所のトラブルで自動停止したことがある。発電と送電を始める作業で停止したのは初めてという。高浜4号機は運転開始から30年余り。再稼働を準備していた20日に原子炉補助建屋の配管で放射性物質を含む水漏れが見つかった。関電は22日、原因を「配管の弁のボルトが緩んでいた」と発表。同様のボルトをすべて点検し、予定より1日遅れで「起動試験」を
始め、当初の想定通りの2日に再稼働していた。隣に立つ高浜3号機は1月29日に再稼働し、2月26日から営業運転に入っている。(伊藤弘毅)
報道陣がつめかけている中で警報がなり、(おそらく原発への送電が止まり)原発が自動で緊急停止するという劇的な展開。フクイチの「オール電源喪失」のことが頭をかすめた人もいたことでしょう。原因不明。ところが関電は、翌日早くも「営業運転は4月以降に」と発表しています。予定は3月下旬だから、ほんのすこし遅れるくらいーー大したことはないという姿勢が伺われます。だって、普通の企業なら「原因がわかるまで運転はしません」となるはずですが、電力業界は完全にタガが外れている。
高浜4号機、営業運転は4月以降に
2016/3/1 17:54 http://this.kiji.is/77323137444872198
関電は高浜原発4号機の原子炉を冷温停止させる作業を始めた。営業運転開始は4月以降にずれ込む見通し。
冷温停止とは100°C未満の状態を言うのでしたね。すでに核分裂を起こしていた原発が冷温停止になるまでどれくらいの時間がかかるのかはわかりませんが、20日の水漏れ事故の原因だってはっきりわかったわけじゃなし、そううまくゆくとは考えられない。NHKの報道を読むと、さらに不安感がつのります。
高浜原発4号機 今後の工程に遅れも
先月26日に再稼働した高浜原発4号機では29日発電機と送電設備をつなぎ発電と送電を始める予定でしたが、中央制御室で運転員が開始の操作をしたとこ
ろ、発電機や変圧器の故障を示す警報が鳴り、原子炉が自動停止しました。これまでの調べで、変圧器と送電設備の間に、設定された値を超える電流が流れそれを検知した機器が原子炉などを停止させる信号を出していたことが分かりました。関西電力によりますと、送電線側から外部の電流が流れ込んだことも影響しているとみていますが、通常の発電所でも外部から電流が流れ込むことはあることから、検知機器の取り付け方や設定した値に問題がなかったかなどをさらに調べています。高浜原発4号機について関西電力は29日発電と送電を開始して、3日には原子炉の出力が100%のフル稼働とし、今月下旬に営業運転に入る計画を示していました。一
方、原子力規制委員会は今回のトラブルについて今後、関西電力が行う原因と対策の報告について定例会で議論したうえで評価を行う方針です。関西電力は、規制委員会に報告するまで原子炉を再び起動するなどの作業を行わないとしているため、再稼働の今後の工程は当初の予定より遅れ、営業運転は来月にずれ込む可能性があるとしています。
「電気系統」とは最もていねいなチェックが必要だったのではないか・・・それにしても、スタートボタンを押したとたん、「ブ・ブー」というのは、多くの日本人の意思が通じたのではないかとさえ思います。高浜原発も臨海部にあり、潮風で施設の腐食・老朽化も激しいことは推測できますが、老朽原発をむりやり動かすという「政治的判断」が、完全に間違いであることを、推進派に思い知らせてやりたい。
「・・・原発の運転期間を40年とする原則は、東京電力福島第一原発事故後に改正された法律に明記された。事故を起こした1~4号機はいずれも運転開始から30年以上。電力供給への不安から最長20年の運転延長も盛り込まれたが、当時の野田佳彦首相は「例外的な場合に限られる」とし、田中委員長も「延長は相当困難だ」と語っていた。だが、高浜1、2号機の審査が昨年3月に申請されると、規制委は他の原発を後回しにする形で審査を急いだ。制度に基づく運転延長認可の期限は今年7月。それまでに審査が間に合わなければ「時間切れ」で1、2号機は廃炉を迫られる。審査が長引いて廃炉になったと電力会社から提訴される懸念もあり、「時間切れ」だけは避けたいのが本音だった。その結果、運転延長をめざす原発の初の審査書案は申請から約1年で公表された。「延長はもはや例外ではないのでは」との質問に、田中委員長は「例外とか例外でないとかは正しくない。個々に一つ一つ見ていかなければいけない」と釈明した・・・」「原発40年」原則、骨抜き 60年運転も現実味
原発再稼働は、完全に政治と金の世界の話であり、誰もハナから安全性など考えていません。再稼働したとたん、「レベル4」の事故を起こしては、再々稼働などありえないことを、何よりも福井県の人々の「総意」にして欲しい。それを、日本の原発政策転換に向けた動きにつなげて欲しい。日本最大の原発銀座である福井県こそが、そのためのキーを握っているのです。2016.3.2