…司法はやはり死んでます。地裁レベルにはまだ良識がある裁判官がいるかもしれないけれど、高裁・最高裁となると、現実の社会も知らず、生活体験もなく、当然ながら一般庶民への尊敬も共感もない恥知らずでアホなおっさんばかりの世界。「市民のための」「独自判断」など下せるはずがないのです。
「高浜原発3・4号機 再稼働認める判断 大阪高裁」
2017年3月28日http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170328/k10010927491000.html
福井県にある高浜原子力発電所3号機と4号機について、大阪高等裁判所は、去年3月に大津地方裁判所が出した運転停止を命じる仮処分の決定を取り消し、再稼働を認める判断をしました。福井県にある関西電力の高浜原発3号機と4号機について、大津地方裁判所は去年3月、滋賀県内の住民の申し立てを認め、「福島の原発事故を踏まえた事故対策などに危惧すべき点があるのに、関西電力は、安全性の確保について説明を尽くしていない」として、稼働中の原発としては初めて、運転の停止を命じる仮処分の決定を出しました。関西電力は、異議を申し立てましたが、認められなかったため、決定を不服として大阪高等裁判所に抗告し、「原子力規制委員会の新しい規制基準を踏まえ、より高度な安全対策をしている」と主張していました。これについて大阪高裁は、運転停止を命じる仮処分の決定を取り消し、再稼働を認める判断をしました。 高浜原発では、ことし1月に起きた大型クレーンが倒れる事故を受け、安全対策の総点検などが行われていて、関西電力は、福井県などの理解を得たうえで、核燃料を原子炉に移すなど再稼働に向けた手続きを進める方針で、再稼働までには1か月以上かかると見られます。
それにしても、この記事、なぜ裁判官の名前がないの? 欧米なら名前が見出しにでるくらいなのに・・・で、チェックしたら、ここ→http://www.e-hoki.com/judge/2990.html?hb=1に経歴がありました。でもコピペできず。こうやって裁判官の人権を守りたいのか・・・。いずれにしても、このアホ判決を下した山下郁夫判事、民事畑で家裁,簡裁勤務が長く、こういう事件を担当出来るようなタマとはみえず、おそらく「住民敗訴」をいいわたすための人事だったのでしょう。上司が、山下氏を呼び出して、「お前もそろそろ退官後のことを考えて、わが国のためになる判決を書くよ~に」などと脅している情景が頭に浮かびました。
で、他のメディアの記事から「判決」の骨子を読む・・・これはひどい。
高浜原発、再稼働へ 大阪高裁、停止の仮処分取り消し
2017年3月28日20時55分http://www.asahi.com/articles/ASK3X3DJ6K3XPTIL00D.html
関西電力高浜原発3,4号機(福井県高浜町)について、大阪高裁(山下郁夫裁判長)は28日、大津地裁が出した運転差し止め仮処分決定を取り消し、運転再開を求めて保全抗告していた関電側の訴えを認めた。「安全性が欠如しているとはいえない」と判断した。この決定を受け、関電は近く運転停止中の高浜3,4号機の再稼働に向けた手続きを進める方針。申立人はこの決定について最高裁に特別抗告などをすることができるが、今後、慎重に検討するという。原子力規制庁によると、現在、稼働中の原発は九州電力川内原発1,2号機(鹿児島県薩摩川内市)と四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の2原発で計3基ある。運転差し止め仮処分を申請したのは、高浜原発から30~70キロ圏内に住む滋賀県の住民29人。3,4号機は再稼働が早いと見込まれたため、2015年1月、原発の運転差し止めを求めた本訴とは別に大津地裁に申し立てていた。関電は高裁審理に向け、原発の安全性に関する資料を用意。大津地裁が多くの争点を「説明不足」と指摘したためで、今回の決定は関電側の大半の主張を認め、大津地裁の決定を全面的に覆し、住民側の訴えを退けた。
決定はまず、国が福島第一原発事故の後に定めた新規制基準について「現在の科学技術水準を踏まえた合理的なもの」と評価した。争点の一つだった原発の安全性の立証責任について、地裁も高裁も「安全審査に関する資料をすべて保有する関電がすべきだ」とした。地裁段階では関電は立証不足を指摘されたが、高裁は関電の主張を受け入れ、「新基準自体に合理性がないことは住民側が立証する必要がある」との判断を示した。
また、地震や津波への関電の対策も検討。関電が、原発に与える影響が大きい活断層を選定▽複数の評価方法で基準地震動を700ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)とした▽十分な耐震補強工事を実施▽原発の重要施設が耐震設計の基本となる最大の揺れ(基準地震動)に耐えられると解析で確認――などと主張した点について、「相当の根拠および資料に基づいて安全性を疎明した」と述べた。また、地上や取水路から津波が原発敷地内に流入しないことを確認しているとの説明も認めた。さらに国や地方公共団体、自衛隊などが避難計画について役割を取りまとめていることを挙げ、「取り組み姿勢や具体的内容は適切」と述べ、対策に不合理な点はないと結んだ。
住民側は「原発事故が起これば、琵琶湖が汚染され、住民に深刻な打撃を与える」として、平穏で健康に暮らす人格権の侵害だと訴えていた。しかし、高裁は安全性は欠けておらず、人格権侵害を判断するまでもないため、申請そのものに「理由がない」とした。
住民と弁護団は「ほぼ関西電力の主張に沿う判断。民意を無視した司法の暴走とも言うべきもので、怒りの念を禁じ得ない」と強く批判した。一方、関電は「高浜原発3,4号機の安全性が確保されていることについて科学的・技術的観点から丁寧な説明をしてきた。決定は、説明により裁判所に理解いただいた結果であると考えています」とのコメントを出した。
■関西電力高浜原発3、4号機をめぐる大阪高裁の決定理由の骨子
・福島第一原発事故の原因は一部未解明だが、基本的なことは明らかにされている。教訓を踏まえて作られた国の新規制基準は不合理ではない
・原発の安全性の立証責任は科学的知識や資料を持つ関西電力側にもあり、十分説明できない場合は安全性を欠くと推認される。新規制基準が不合理だと立証する必要は住民側にある
・関電側は新規制基準に適合した地震対策や津波対策をしており、安全性に問題があるとは言えない
・新規制基準が避難計画などの原子力災害対策を規制対象にしていないのは不合理ではない
・・・予想通りでした。「フクイチ」で現在進行中の事態も、将来、かなりの確立で起きるはずの事態も無視した、関電と原発業界のためのばら色の判決・・・これじゃあ、「司法と企業の癒着」を疑わない人はいないでしょう。
これは、司法が政治化しているということです。三権分立のうち、行政と司法は、いったん就職すると一生涯そこでつとめあげられるから、企業が長~い時間をかけて、自分たちの「代弁人」を選別し、教育し、囲い込み、「わが社」のために動ける人材を養成することができるのです。「わが社」の代わりに、「わが党」「わが国」を入れても同じ。よどんだ水は腐り、日本の政治も実際は大企業グループに「私物化」されているのですが(アメリカと同じ)、まさか司法がこれほどまでに卑屈で業界よりの判決を出すとは。こういうあほな判決を出すたびに、裁判所は自らの存在意義を低め、否定しているのですが。2017.3.29