高レベル核廃棄物の自治体説明会

 放射能廃棄物についての動きが急ですが(改正使用済み核燃料再処理法も通過…)、高レベル核廃棄物の最終処分場さがしも着々と進んでおり、今年秋には「科学的有望地」が発表される運び。国民の同意がないまま電力会社と政府がやったことといえば、形ばかりの市民向けシンポジウム(核廃棄物の地層処分? ふざけないでよ (05/09)と、非公開の自治体向け説明会のみ。自治体向け説明会は、市民の強い批判をあびて今年は報道関係者に公開されたようですが、有権者は相変わらず蚊帳の外、原発マフィアはあくまでも黒く、閉鎖的。

 この自治体向け説明会について、北海道の二つの市民団体が、道内全自治体を対象にアンケート調査中だと知りました。アンケートはなかなかよくできているので、みなさんがお住まいの県でも同じように自治体調査を行うことをお勧めします(神奈川県もやります!)。なぜなら、公害事業が狙うのは、動かない寝ぼけた市民が多い地域(人口の少ない僻地はより好まれる)と決まっており、市民が進んでこんな調査をすることで、地域を汚染から守ることになるからです。

 もちろん、「核のごみ」は、拡散すべきでも、地下埋設すべきでもありません。

 フクイチ近辺に広大な無人区を作り、そこに技術の粋を尽くして(そういう技術があったとして)、半永久的に管理するしかないでしょう。もちろん「核のごみ」を生み出し続ける原発はとっとと廃止し、フクシマだけでなく、原発立地〈基本的に常時放射能にさらされている)の住民を比較的汚染の少ないところに移住させ、身体・精神被害や逸失利益を十分に補償する必要があります。フクイチと「戦犯」と、「戦争屋」をそこに閉じ込められればもっといい。こうしている間も、日本から出た放射能は世界じゅうを、音もなく汚染しているのだから。以下、アンケートの内容。

 

2016(H28)年年711

道内市町村長 様             

        ベクレルフリー北海道代表 マシオン恵美香

脱原発ネット釧路代表 工藤和美

 

「経済産業省資源エネルギー庁による高レベル核廃棄物の最終処分に関する自治体説明会に関するアンケート調査ご協力のお願い 

昨年に続き、本年52526日両日、北海道経産局(札幌)にて、経済産業省資源エネルギー庁主催で開催された「高レベル放射性廃棄物の最終処分政策の見直しに関する自治体向け説明会」へ、北海道庁を含む道内自治体には、参加を求めるお知らせが送付されました。昨年は、説明会開催後に、「核廃棄物施設誘致に反対する道北連絡協議会」が、上記説明会に参加した道内自治体に向けてアンケートが送付され、回答をお寄せいただいたと聴いております。国が科学的有望地を三つの区分に分類し、2016年度中に公表するとしているため、今年度はこれらに係る問題を注視する市民団体のベクレルフリー北海道及び脱原発ネットが共同して、貴自治体にアンケート調査をいたします。宜しくご回答いただきますよう、ご協力ください。なお回答につきましては、諸事情から集約を迅速にするため、下記宛、FAXまたは電子メールで、720日までにご回答いただきたく、お願い申し上げます。

【回答送り先」 FAX××× 電子メール:××× 

お問い合わせは ベクレルフリー北海道代表 マシオン恵美香 (住所)

高レベル核廃棄物の最終処分に関する自治体説明会に関するアンケート質問項目

実施市民団体 ベクレルフリー北海道・脱原発ネット釧路

下記の問いに「○」でお答えください。

自治体名のご記入をお願いします。 

市町村名              

 

本年5月2526日両日に経済産業省資源エネルギー庁の主催により札幌で行われた「高レベル放射性廃棄物の最終処分政策の見通しと自治体向け連絡会(説明会)」に貴自治体は職員を出席させましたか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

昨年3月より総務省が自治体に情報提供の担当者「登録」を要請していますが、貴自治体として登録をしましたか? または今後、登録するお考えがありますか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

昨年は「同自治体向け連絡会(説明会)」について、経済産業省は「非公表・非公開」とし、本年は報道機関にだけ公開して実施されましたが、市町村への処分事業説明会の対応として、これでよかったとお考えになりますか?

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

国から「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する自治体向け連絡会(説明会)」の日程などの情報を公開しないよう要請されましたか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

貴自治体は今後も「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する自治体向け連絡会(説明会)」に参加しますか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

貴自治体として「高レベル放射性廃棄物の最終処分に関する自治体向け連絡会(説明会)」での説明内容や今後、提供される処分事業に係る情報などを住民などに公表しますか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

貴自治体は、高レベル放射性廃棄物の処分事業に関心がありますか?

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

貴自治体は、国が前面に立った高レベル放射性廃棄物の最終処分地の選定調査等に今後協力しますか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

貴自治体として、高レベル放射性廃棄物の最終処分事業による町づくりを行う意思をお持ちですか。

  • は い ・ いいえ ・ 答えられない

<何かご意見等があればお書きください>

 

ご協力いただきありがとうございました。

 

2016.7.12

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/