昨日の記事に、「ビスマス214が焼却由来って新説、ちゃんと検索すればなんでビスマス214が自然由来かすぐ分かるのに と、twitterにありましたよ ちゃんと検索されましたか」とのコメントがありました。(鉛214については記述なし)。
もちろんです。「天然説」も目にしています。雨が降ると大気中のラドンが壊変してビスマス214になり、放射線量があがる、という説ですね。たとえば:
「ウラン系列の途中にある222Rn (ラドン) から崩壊して出来る 214Bi は、雨や雪の降下と共に地上に降ってくることが知られている。 (例えば「日本分析センターにおける空間放射線量率と希ガス濃度調査結果」参考)」(Wikipedia)
「これらラドン娘核種は普段ちり状になって大気中を浮遊していますが、雨や雪が降ると雨滴や雪に付着して地表に落下します。この地表に落下したラドン娘核種から放出される放射線を検出してやや高い線量率が検出されるのです」http://www.miyagi-gc.gr.jp/html/QA/amegahuruto.htm
では、と私は考えました。①原発事故以来、これまで鉛214やビスマス214の増加が問題になったことはあっただろうか?と。それに、②大気中の汚染物質は、降り始めの雨や雪に多く含まれることが知られているが、今回は何時間も降下し続けており、自然の動態とは言いにくいのではないか。さらに、③半減期は鉛が26.8分、ビスマス214が19.9分。この短寿命の放射線同位体が何時間も検出されていたということは、次々と供給されていたことになる・・・・・・というような理由で、焼却炉由来を疑っているわけです。もちろん、原発由来では、との疑いも消えていませんが、放射線物理学の専門家の解明を待つしかありません。
でも、このコメントのおかげで「天然由来」が、政府に都合のいい説明だということにも気づきました。上の二番目の説明は、女川原発をかかえる宮城県原子力センターのもの。「天然」を隠れ蓑にしようとの魂胆を疑ったわけです。それともうひとつ、昨日引用したSECURITYTOKYOのツイートは、「一般市民の放射能測定は『誤認』が多い」と暗示していますが(明示か…)、私は、安価でも、素人でも、市民が放射線を測定し続けることが重要だと思います。2012.1.25
鉛214とビスマス214、ごみ焼却由来では? (つづき)
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/