鉄くずから放射能ー発生源は「健康器具」

 発生源は、鉄くずに混ざっていた「ステンレス製品」、「健康器具の一部」とのことで、少なくとも原子炉等規制法のかかる施設から出たものではなさそう。

鉄塊から放射線検出、発生源を特定

2014年04月14日(月) 愛媛新聞 http://www.ehime-np.co.jp/news/local/20140414/news20140414781.html   

 愛媛県宇和島市のごみ処理施設「津島町クリーンセンター」でスクラップした鉄プレス品から国の基準値を超える放射線量が検出された問題で、同市と県原子力センターは12日、購入した新居浜市のリサイクル業者の倉庫で合同調査し、鉄プレス品に混在していたステンレス製品が放射線発生源と特定した。県原子力センターは「健康器具の一部と思われる」としている。 宇和島市などによると、ステンレス製品はプレス前の大きさが縦横約20センチ、高さ約4センチの立方体で、家庭でも使われる健康器具の一部とみられる。放射線物質のラドンを示す「Rn」のシールが貼られていた。ステンレス製品からは基準値(毎時0.23マイクロシーベルト)を超える4マイクロシーベルトを計測したが、残る鉄プレス品は基準値内だった。
 ラドンって、元は気体のはず。現物に「Rnラドン」のシールが貼られていたというからには、「ラドン」を売りにした健康器具だろうと思ってググったら、いくつもそれらしい製品がヒットしました。それどころか、この手の製品に対する相談・苦情を受けた国民生活センターも調査に乗り出し、2010年、その結果を新聞発表しています。


 調査した10製品のラドン濃度は、いずれも自然の温泉と比べ物にならないくらい低い一方、外部被ばく線量は「1 日1 時間・1 年間直近で使用した場合でも、全ての銘柄で一般公衆の1 年間の線量限度には達しなかった」とのことです。風呂に沈めるため、水が遮蔽物になったようですが、直近での線量当量率は、もっとも高いもので1.94 μSv/hに達していました。これは、「1 日1 時間・1 年間直近で使用したときの線量当量は約0.7 mSv(700 μSv)となり、一般公衆の線量限度(1 mSv)を下回るが、毎日1 時間半程度直近で使用すると上回る」レベルでした。非常に不健康な「健康器具」だったわけです。所有者は処分に困ってごみとして出したのかもしれません。
 ラドンに関しては、アメリカEPAは早くから肺がんへの寄与を認めて警告を出しているし、http://www.niph.go.jp/soshiki/seikatsu/radon/model1.pdf、国際がん研究機関(IARC)もラドンを「発がん性あり」のG1に分類しています。でも、日本ではーー311とフクシマを経験した今もなおーー「多少の放射能は体にいい」という神話を信じている人が多いのです。それを裏付けるのが、医薬業界や食品業界で進む放射能の利用なんですけどね。なんとかして、「ごみ」に放射性物質がまぎれこまないようにしないと、列島すべてで放射能の汚染・濃縮が進むことは避けられないでしょう。2014.4.16

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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