読者の方からこういうコメント↓をいただきました。ありがとうございました。
野田首相は先日の所信表明で「出来る限り原発に依存しない社会を目指す」と宣言していた筈なのに、おかしいですね。原発の問題と「TPP」の問題は根っこが同じです。どちらも一部の人間の「目先のカネ(利益)」のために、多くの人たちの「暮らしを犠牲」にするものだからです。また、マスコミはスポンサー様の意向に従うために「原発を推進」してきたのと、まったく同じように「TPP推進」をしています。
●「野田首相、インドとの原子力協力推進の意向」(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20111030-OYT1T00011.htm
●「野田首相、ベトナムと原発輸出正式合意へ」(毎日新聞)
●「野田首相、TPP交渉参加の意向固める」(FNNニュース)
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00210525.html
以下は私の見方です。
日本のメディアのひどさはおっしゃるとおり。TVや新聞はとっくに社会的価値を失っています。
野田番頭ですが、彼は初めから原発推進です。就任直後の所信演説で、「原子力発電について、『脱原発』と『推進』という二項対立で捉えるのは不毛です。中長期的には、原発への依存度を可能な限り引き下げていく、という方向性を目指すべきです」と述べていますから。
菅首相の「脱原発」と同じような言葉を使っていますが、前段ではっきり「現状維持」を表明しているわけです。これ、典型的な官僚の作文。政治家の言葉・文章は行間を読まなければなりません。
実は、菅首相の明確な脱原発発言、「原発のない社会をめざす」は――彼自身どこまで認識していたか知りませんが――戦後の社会的枠組みを根底からひっくり返す、歴史的発言でした。エネルギーは社会の基盤ですから。これに危機感を覚えた企業、組織、団体は少なくなかったはずです。その後、メディアや評論家(市民も)がよってたかって、菅下ろしの猛攻撃をかけたのは、当然といえば当然だったわけで。
このショッキングな「脱原発」発言を骨抜きにし、菅ができなかったTPP早期参加を実現させるために登場したのが野田総理です。その背後にあるのはもちろんアメリカ軍産複合体。そこで、番頭さんは就任後、ただちにアメリカに飛び、国民への説明もなしに、南スーダンへの派兵を約束してしまったのです。当然、TPPへの早期参加や原発輸出についても「お約束」。
ベトナムは今、アメリカと軍事協定を結ぶ関係ですが(対中国包囲網のため)、その見返りとして、米は核エネルギー技術の提供=日本を通じた間接的な原発輸出=を約束しているのです。これについては菅も「ノー」とは言っていないのではないでしょうか。当然、番頭さんは主人の言うままですよ。グローバル社会の中では、一見国内問題としか見えなくても、他国の政策と緊密にからみあっているものです。日本の市民もグローバルな状況に目を向ければ、もっと時事トピックの意味がわかると思うのですが。
よろしければ、私の政治ブログも参考にして下さい。2011.11.06