2月5日、曇り空の寒い日曜日。現地に集合した七名のサムライで、手作りのチラシを全戸配布しました(実物は後ほどアップ)します。1月30日の県の「対話集会」からほぼ一週間。現地の動きが全く伝わってこないのに、国会議員や市会議員の妙な動静が伝わってきたからです。
特に怪しい、と思ったのが、今回の件で知り合った人から、現地の議員から「よその人は入ってくれるな、騒いでくれるなと言われた」という話を聞いたことです。で、すぐ現地取材すると、「その議員は芦名の人間ではない」「誰も『入ってくれるな』なんて思っていない」。それどころか、「彼のブログにはひとことも反対なんて書いてない」。おまけに、町内会からは住民に何の説明もない……こういう条件を考えれば、水面下交渉を疑わない方がどうかしています。下手すると、芦名が将来、神奈川県に住む人々全員の怨嗟を受けることになりかねません。で、急遽、住民の良識に訴えることにしたわけ。
この日、ちらしを手渡ししながらいろんな人と話をしましたが、どの人も暖かく優しく、本当にこの問題を心配して、なんとか止めたいという人ばかりでした。でも、「上の人たち(町内会の役員)」を盲目的に信じているという困った面も。そこで、「町内会はいまだに態度表明なんかしていませんよ」というと、誰もがみな、驚いたようでした。ああ、この思い込み……芦名の処分場を作る時だって、そんな「上の人」が県と結託してハンコを押したという経緯があったじゃないの。
おそらく、その時の問題を住民も町内会もきちんと清算していないのでしょうね。ということは、この地域はこれからも狙われ続けます。「迷惑施設」は弱いところ、人口が少ないところ、保守的なところ、女性の地位が低いところに集まりやすいからです。これを、欧米では「環境的不正義」と言いますが、環境差別と言ってもいいかも。自分の住む地域は守れるのはそこの住民であって、議員ではありません。そんな話を何回もくりかえして、すっかり喉を痛めてしまいましたが、穏やかで美しい三浦半島に、もうこれ以上、汚染施設を作らせたくない、とこころから思いました。
2012.2.5
芦名でチラシまき
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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