前記事の続き、今度はロタウイルスワクチンと「腸重積」の関係を追ってみます。現在、日本で使われている二種類のロタワクチンーGSKのロタリックス(1価、2回接種)、MSDのロタテック(5価、3回接種)とも、添付文書の副作用の欄に「腸重積」とかかれているし、現にこの副作用が起きているからです。
ところで腸重積とは何か。
*腸重積症:子どもに多い病気で、腸が腸の中に折り重なるように入り込み、腸閉塞を起こします。多くは原因は不明です。いちごゼリー状の血便、5~10分おきに不機嫌で顔色が悪くなるなどの症状が見られ、救急外来受診が必要です。(ワクチン推進団体、Know VPDのサイトから)。
これだけ読むとたいしたことがない病気のようですが、不機嫌、顔色が悪いだけでなく、赤ちゃんは胃の内容物を盛大に吐き、血便を出し、痛みで泣き叫びます。早い段階なら造影剤や高圧浣腸で圧を加えれば、折り重なった腸は元の状態に戻りますが、病院へ連れて行くのが遅れると、腸の閉塞部分が壊死し、開腹してその部分を切除するという大変な事態に至ります。開腹手術がまにあわないと、死に至るのですが、「原因不明」というのが怖いところ。
この腸重積が、ロタワクチンの導入以来増えていることは、以前、アメリカの健康サイトで読んだことがありますが、今回、厚労省のサイト資料15 ロタウイルスワクチンに係る腸重積症に関する報告(PDF:356KB)で確認しました。
報告の概要-ロタリックス(GSK)
VAERSデータ(米国) ロタリックス(日本国内)
出荷数量 10,900,000 3,459,003
腸重積報告例数 112 136
確認された腸重積症例
(全例) 108/112 (96.4%) 118/136 (86.8%)
報告の概要-ロタテック(MSD)
VAERSデータ(米国内) ロタテック(日本国内)
出荷数量 47,000,000 (2006~) 2,368,179(2012~)
腸重積報告例数 657 97
確認された腸重積症例
(全例) 584/657 (88.9%) 82/97 (84.5%)
どちらのワクチンも「各国の副作用収集体制が異なるため単純な比較はできない」との注意書きがありますが、これっていったいどういう意味? 少なくとも日本では、ロタワクチンにこういう副作用があることはほとんど市民に知らされておらず、親も医師も突然の赤ちゃんの腹痛がロタワクチンの副作用だなんて思いもしないし、報告もしていないはずです。それに、この報告書を見る限り、日本では、接種回数に比べて腸重積の発現回数が異常に高いのは事実でしょう。
このほか、ロタリックスでは手術事例が17件。うち5名の赤ちゃんが腸切除を受けています。ロタテックでは外科手術が11件で腸切除が2件。この表には表れていませんが、最近の科学審議会副反応検討会では、一名の死者も確認されています。これは同時接種で起きた事例。
なお、ロタリックスの日本販売代理店である第一三共は、以下のような注意を流しているのですが、いずれも開かない…
2017.02.06 ロタリックス内用液 接種後の腸重積症について(第3報) (3,496KB)
2016.04.08 ロタリックス内用液 接種後の腸重積症について(第2報) (4,605KB)
さらに、ワクチン推進団体のKnow VPDは、接種を勧めるだけでリスクについては、なにも触れていません。
「全性は世界中で多くの調査が行われており、極めて高いものです・・・現在は使用されていませんが、いわば「初代」ロタウイルスワクチン(ロタシールド)は接種後の腸重積**症発生増加のため発売中止になりましたが、現在のワクチン(ロタテック・ロタリックス)では、接種時期を守ることで、欧米では問題なく安全に接種されています。決められた期間内に接種を完了できるようかかりつけの医師とご相談ください。」
海外での健康サイトなどでは、ロタワクチンには「警告」まで出ているのに・・・このワクチンはただでさえ「禁忌」が多く、どうも怪しい。接種を考えているママをご存知なら、ちょっと考えてみたら?と言ってあげてください。2017.4.7