緊急集会報告① 「がれき」を通して見えてきたもの

 昨日の「神奈川県反がれき緊急集会」、わずか4日ほどで開催にこぎつけたにもかかわらず、思いがけなくたくさんの人が集まってくださり、大盛会でした。おかげで資料は足りなくなるわ、空調は効かないわ、マイクの用意がなくIWJの実況音声が聞こえないわ、などいろいろご不便をおかけしましたが、ご容赦下さい。
 報告もそれぞれ熱がこもったものでした。町田市からは、神奈川県の環境悪化は町田市にも直結する、芦名の問題は自分たちの問題でもあるとの報告。東林間ではすでに、5000ベクレルが測定されているなど、環境汚染の進行を裏付ける話もありました。町田市による「秘密の宮城ツアー」という生々しい話も。地元ボスと結びついているのはどの市町村も同じようです。
 多摩市からは、法的権限のない「東京都市長会」が、基礎自治体に代わってがれき受入れを約束してしまった経緯が報告されました。今日、25日はその抗議文への署名者380人をバックに抗議活動をするそうです。まにあえば連絡してみて。
 すばらしい、と思ったのは川崎グループの報告でした。川崎では阿部市長が一応、「(がれき受入れは)必要なくなったかな」などと述べたと伝えられています。でも川崎グループはそれで安心はできないと考え、みなで討論して、「がれきを通していろんなものが見えてきた、今後は川崎におけるゴミ行政全体に視野を広げざるを得ない」との結論を得たのでした。
 もちろん、がれき受入れストップ、で話は終わりません。ごみ問題は都市問題。川崎では日々、何百トン?もの焼却灰がたまり続け、行き場もないまま何箇所かで保管されています。でも、その保管場がいっぱいになった時、焼却場は必ず、人口の少ない、弱い地域を狙うのです。私がごみ処理という出口解決法に強く反対しているのは、焼却・埋設処理は弱者を抑圧するシステムだから。その意味では、原発とごみ処理の構造は全く同じなのです。
 「反がれき運動」に参加しているみなさんが今見ているのは、ドロドロとした社会の裏面まで含めた日本社会そのもの。はっきりと言葉では表せない、そのドロドロは、「反原発運動」を含む、もっと複雑で深いものなのです。そういう背景に気づく人が多くなるほど、。社会が変わるチャンスが増える。集会をやってよかった、と思いました。2012.7.25

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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