鳥取県が建設しようとしている米子市淀江町小波の産廃処分場、このあからさまな廃棄物処理法違反の事業については、本ブログでも繰り返しお伝えしてきました。この地域の最大の問題は、地元住民の反対の声が、特定政党と特定グループに抑え込まれて事業者や自治体に届かない状況になっていたことでした。でも、ここにきて、大きな変化が起きたようです。
鳥取県など出資の第三セクター・県環境管理事業センターが米子市淀江町小波で建設を計画する産業廃棄物最終処分場を巡り、県と関係住民との意見調整会が4日、米子市糀町1丁目の県西部総合事務所であった。住民側が資料の開示がないとの理由で開催延期を求めるなど混乱し、県は会議を途中で打ち切った。 建設予定地から半径500メートル以内の住民が対象。県は、6自治会のうち2自治会と一部住民から理解が得られていないとして、県条例に基づく意見調整会議を今年5月から計5回実施している。【詳しくは本紙紙面をご覧ください】
実はこの会議、住民の激しい批判で開始からわずか4分で「流会」となったそうです。穏やかで争いごとを嫌う地元住民のことを知っている私には、この行動は驚きでした。でも、彼らが開示を求めていたのは、自分たちが参加し、発言した過去の議事録で、当然、公開されて当然の資料だったのです。ところが県はその公開を拒み、それが住民の不信感と怒りに火をつけたのでしょう。
思いおこせば、私が現地入りした2017年初の時点では、住民は事業に怒りを持つどころか、計画そのものさえほとんど知らなかったのです…その後、地元の女性たちが住民教育を開始し、漁業者が「漁業権」を盾に事業に反対を表明し、自治会単位で過半数の反対署名を集めて県市に送り付けるなどしたことから、反対のうねりが大きくなってきました。
もちろん、ことあるごとに、その「まともな」反対に竿を指す動きもありましたが、大丈夫。普通の市民は、何らかの政治的意図がある運動と、市民感覚をベースにした「まともな」運動を見分けることができるものです。
今、米子の人々が知らなければならないのは、この事業は、基本的に違法であり、本物の専門家なら、最初からその「違法性」を批判しなければならないということです。2018.11.7