秋田と岩手の「がれき処理協定」書

 秋田県と岩手県の「がれき処理協定書」を入手しました。下がその全文(カッコ書きなど一部省略)…ふーん、こういう感じか。突っ込みどころ満載。あとで分析をアップします。 2012.2.16

災害廃棄物の処理に関する基本協定書

 


岩手県(甲)と秋田県(乙)は、岩手県において発生し、東日本大震災により特に処理をすることが必要となった一般廃棄物(災害廃棄物)の広域的な処理(運搬、処分または再生をいう)を行なうための基本的な事項に関し、次のとおり協定を締結する。


(目的)


第1条 この協定は、被災地である岩手県の復旧復興を支援するため、秋田県内に
おいて引き受ける
災害廃棄物の円滑な処理を図ることを目的とする。



 
(災害廃棄物の受け入れ要件等)


第2条     この協定に基づき秋田県内の廃棄物処理施設において受け入れる災害廃棄物については、次の要件を満たすものとする。


(1)   放射性セシウム濃度(セシウム134とセシウム137の合計、以下同じ)の目安値は、100Bq/kgを超えないこと。


(2)   廃石綿、PCB廃棄物など特別管理廃棄物及び石綿含有廃棄物に該当するものを含まないこと。


(3)   受け入れる廃棄物処理施設の基準に適合する形状、寸法等であること


2 前項の要件を満たす災害廃棄物であっても、秋田県内の廃棄物処理施設において、受け入れ、焼却処分した場合には、それに伴い生じる次の各号に掲げる生成物(主灰及び飛灰並びに溶融スラグ及び溶融メタルをいう。以下同じ)は、それぞれ当該各号に定める要件を満たすものとする。


(1)   主灰及び飛灰 放射性セシウム濃度が、8,000Bq/kgを越えないこと。


(2)   溶融スラグ及び溶融メタル 放射性セシウム濃度が、100Bq/kgを越えないこと。


3 前2項の要件を満たさない場合、甲は、乙と協議の上、災害廃棄物及びその生成物について、排出元である被災した市町村(排出被災市町村)に返却する等の措置を講じるものとする。


 


(この協定の規定の遵守のための甲および乙の取組み)


3条 甲及び乙は、この協定に基づく災害廃棄物の処理に関し、排出被災市町村並びに当該処理を行なう秋田県内市町村、一部事務組合及び民間の廃棄物処理業者(民間業者にあっては、秋田県災害廃棄物処理支援協議会が推薦する処理業者に限る)と、この協定の規定を遵守するために必要な調整に責任をもって取り組むものとする。


2 甲及び乙は、この協定の規定を遵守することで生じる不測の事態に対して、国に支援を要請する等責任をもった取組みを行なうものとする。


 


(甲乙間の委託による災害廃棄物の処理)


第4条 甲は、地方自治法第252条の14の規定に基づき、排出被災市町村から事務の委託を受けた第2条の要件を満たす災害廃棄物の処理を乙に委託する場合において、当該災害廃棄物の種類、数量その他必要な事項について、あらかじめ、乙と協議するものとする。


 


(甲乙間の委託によらない委託による災害廃棄物の処理)


5条 甲及び乙は、秋田県内市町村等が、この協定に基づく災害廃棄物の処理を、排出被災市町村から直接に受ける委託その他の、甲と乙との間の委託を通さずに受ける委託により行なう場合には、秋田県内市町村等及び排出被災市町村がこの協定の規定を遵守するとともに、前条第1項に準じて関係者間で協議するように助言するものとする。



(運搬等の委託契約の締結)


6条 甲及び乙は、この協定に基づく災害廃棄物の処理に当たり、この協定とは別途廃棄物の処理及び清掃に関する法律に基づき、必要と成る災害廃棄物の運搬及び処分の委託契約が関係者間で締結されるように調整するものとする。


 


(経費の負担)


7条 この協定に基づく災害廃棄物の処理に係る経費の負担について、甲は、次のとおり対応するものとする。


(1)   甲が委託したものに係る経費については甲が負担するものとする。


(2)   甲以外の者が委託したものに係る経費については、前条の契約の中で明確に想定するように甲は助言するものとする。


(有効期限)


第8条 この協定の有効期限はこの協定の締結の日から平成26331日までとする。


(協議)


9条 甲及び乙は、この協定に定める事項について疑義が生じたとき、この協定に定める事項を変更しようとするとき、またはこの協定に定めのない事項について新たに定めをする必要があるときは、その都度、協議するものとする。


 


この協定の締結を証するため、本書2通を作成し、甲乙署名の上、各自1通を保有するものとする。


平成2427


甲 岩手県 岩手県知事 達増拓也 印


乙 秋田県 秋田県知事 佐竹敬久 印

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/