福島県の線量データ操作、ねらいは

  もひとつ放射能関連のニュースを。これは毎日新聞の独自取材にもとづくスクープです。以下は記事の頭部分のみ。、詳しくは原文をお読みください。

<福島原発事故>被ばく線量を公表せず 想定外の高い数値で

2014325()70分 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140325-00000008-mai-soci


 ◇内閣府のチーム、福島の3カ所
 東京電力福島第1原発事故に伴う避難指示の解除予定地域で昨年実施された個人線量計による被ばく線量調査について、内閣府原子力被災者生活支援チームが当初予定していた結果の公表を見送っていたことが24日、分かった。関係者によると、当初の想定より高い数値が出たため、住民の帰還を妨げかねないとの意見が強まったという。調査結果は、住民が通常屋外にいる時間を短く見積もることなどで線量を低く推計し直され、近く福島県の関係自治体に示す見込み。調査結果を隠したうえ、操作した疑いがあり、住民帰還を強引に促す手法が批判を集めそうだ…

 またか、という感じ。この支援チームは、当初、福島県内の自治体が住民に配布した従来型の個人線量計の数値が、航空機モニタリングに比べて大幅に低かったことに着目。昨年911月に開いた会合で調査結果を公表し、被ばく線量の低さを強調する方針だった」のです。で、要請を受けたJAEA(原子力機構)と放射線医学総合研究所(放医研)は、2013年9月、田村市都路地区、川内村、飯舘村の複数箇所で測定を実施、10月半ばにはそのデータを支援チームに提出しました。

 ところがデータは予測を裏切る高線量を示していたのです(当たり前だ)。

 たとえば川内村では推計値2.6~6.6mSvを示し、とてもじゃないけど年間1mSvなど達成できそうもない。この数値を、住民の帰還を画策している「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」に出すとまずい、と公表を控えたとのこと。

 しかし、上の三ヶ所へ住民呼び戻しを決めていた政府は、なんとか数値を合わせるしかなく、JAEAと放医研に頼み、被ばく推計値を低く抑えるために、「屋外8時間から6時間に短縮するなど」条件をかえて計算し直させ、その報告を支援チームに提出したということです・・・立派な情報操作、歪曲、詐欺ですね。

 政府はなんとしてでも、「避難指示解除準備区域」は、帰還しても大丈夫なほど線量が低いと見せかけたいわけですが、それだけではなく、この三ヶ所とも指定廃棄物処理施設の予定地なのです。だから政府はなんとしてでも作業員(住民)を住まわせたいわけ。問題のウラから読むと、表の「操作」の意味がもっとよくわかる。2014.3.27

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/