浜松市、がれき受け入れでウナギどうなる?

 浜松市のがれき受け入れのカギを握っていたのは、処分場のある自治会だったって話。・・・普通なら、絶対多数で反対でもおかしくないのに、70%の住民が賛成したって? うっそー。
浜松市 震災がれき受け入れへ
2012年09月24日
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001209240006




浜松市が震災がれきの本格受け入れの決定を留保している問題で、焼却灰を埋め立てる最終処分場の地元・西区平松町の自治会は23日夜、総会を開き、受け入れるかどうかを決める全世帯対象の無記名投票を実施した。その結果、賛成が反対を上回り、町は受け入れを決めた。鈴木康友市長は決定をふまえ、市として受け入れを正式表明する見込み。
 ■「市は町を心配してくれた」
 平松町(約210世帯)は他地域に比べ反発が強かったため、地元の同意を前提としていた市は、本格受け入れの手続きを進められずにいた。総会はこの日午後8時過ぎから、平松会館で開催。新村安通自治会長が賛成の意見を述べてから投票となった。各世帯1票ずつで、欠席した世帯からは投票結果に一任する委任状を受けた。103世帯が投票した。新村会長は賛否の票数は明らかにしなかったが、「70%以上の世帯から賛成をいただいた」と述べた。記者団には「市は信頼関係を崩さず、町を心配してくれた。市には早急に結果をお知らせする」と語った。
 浜松市は6月、岩手県のがれき(木材チップ)計約40トンを試験焼却した。焼却前後のがれきの放射線量は基準値を下回ったことなどを市内各地で説明した。しかし、平松町の説明会では、放射性物質への不安だけでなく、最終処分場のにおい対策など市の配慮が不十分だとの不信感を住民があらわにし、8月下旬にあらためて予定していた住民説明会も延期した。市は自治会に受け入れに同意してもらうため、がれきの焼却灰の覆土を基準以上に入れるほか、処分場の新たなにおい対策の実施などを明らかにしていた。この日の総会前には、鈴木市長が出席する住民説明会を開催。鈴木市長は「私たちの県も被災地と同じ状況が降りかかるかもしれず、お互いに協力していきたい。被災地を今後も応援したい」と、本格受け入れに理解を求めた上で、「投票でどんな結果が出ようと、平松町に責任転嫁することはない」と強調した。環境省が県に受け入れを要請している震災がれきは、岩手県からの2万3500トン。島田市が本格受け入れを既に始めており、静岡市、裾野市も本格受け入れを表明している。
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001209240006
 こういう場合、普通、カメラの前で票をカウントしたりするのですが・・・それに、無記名・非公開というのも信頼性に欠ける。自治会長が賛成派で、市へヨイショ発言してところを見ても、すんなりとは信じられません。・・・反対派は地元自治会の存在を甘くみていたのかもしれません。
 自治会長や区長、町内会長は、今の日本では行政の末端組織として位置づけられていて、今回のがれき受け入れでも、各地で行政と水面下交渉をくり返し、反対住民の切り崩し役として動いています。だから、「町内会長が住民をだますはずはない」なんて思い込んで、自治会にとりまとめを一任したりすると、結果はだいたいこんなことに・・・。それにしても浜松でがれきを焼いたら、もうウナギは買わないからね。がれきを受け入れる自治体に明日はない。 2012.9.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/