汚染焼却灰の海面埋め立て、魚網埋め立てで合意書(神奈川)

 ここしばらく、神奈川に目が向けられないでいましたが、気がつくと、こんなことに・・・

ごみ焼却灰の水面埋め立て、市内全施設で開始へ/川崎
2013727()150分配信 
カナロコ
by
神奈川新聞
   
放射性物質を含んだごみ焼却灰の水面埋め立てについて、川崎市は8月1日から浮島処理センター(同市川崎区)、9月2日から堤根(同)、王禅師(麻生区)の両処理センターで発生する焼却灰でも実施することを決めた。4月から橘処理センター(高津区)で発生した分を試験的に埋め立てており、市内全4施設で開始される。同市環境局によると、新たに埋め立てを開始する浮島処理センターのごみ焼却灰にゼオライトを添加し、内水への長期溶出検査を行い、安全性を確認したという。9月からの2処理センターについても同様に試験を行って安全確認できた上で開始するとしている。焼却灰の埋め立て地は浮島廃棄物埋立処分場(川崎区)。最新のモニタリング調査(7月22日)では、内水の放射能濃度は1リットル当たり2.8ベクレル、処理した排水(放流水)は同2.7ベクレル、排水口付近の海水(外海水)は不検出だった。内水の放射性物質の濃度については国の目安値(1リットル当たり75ベクレル)より厳しい管理目標値(同10ベクレル)を設定している。川崎港内の魚介類も不検出か1キロ当たり1・4ベクレルと基準値を下回っているという。東京電力福島第1原発事故の影響で、ごみ焼却灰から放射性物質が検出され、市は2011年7月から飛灰の埋め立てを中止。その後、ゼオライトを焼却灰に混ぜて、放射性物質を吸着させる方式を採って、4月から試験的に再開した。
http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/kanaloco-20130727-1307270011/1.htm

 これがどれほど危険な状況か・・・大都市でこれが通れば、小さい自治体もみな右へならえしてしまうでしょう。「漏れない」ことなどないのは、フクイチの汚染水問題を見ても明らか。本来なら、焼却灰や廃棄物の水面埋め立ては国際的に禁止されていますが、日本は国内法でそれを独自に解釈し、高濃度の汚染水だって平気で外洋に捨てている。目の前から消えればそれでいいという道理は、海外では通じません。今のところ、川崎で、この事業に反対している市民団体は、私は知りません。
 で、神奈川県ではもうひとつ、「放射能汚染物埋め立て」関連のニュースが。

魚網受け入れ 放射性物質の安全確認作業で合意書、県と2市町

カナロコ by 神奈川新聞 8月1日(木)8時0分配信    
 南足柄市と箱根町が東日本大震災で被災した岩手県洋野町の漁網の埋め立て処理を受け入れる計画をめぐり、県と両市町は31日、漁網に含まれる放射性物質濃度の測定など安全確認作業に関する合意書を取り交わした。合意書によると、搬出前の放射性物質濃度の測定を県が実施。積み上げられている漁網を20立方メートルの小山に分けてそれぞれ調べ、1キログラム当たり100ベクレル以下を条件に搬出作業を開始する。水銀、カドミウムなど有害物質の含有量も調べる。南足柄市は独自に放射性物質濃度を調べる。両市町の処分場で埋め立て作業が始まってからは、処理水の放射性物質濃度や空間線量率を両市町が定期的に測定していく。南足柄市は地下水の濃度も調べる。埋め立て作業は遅くとも12月末までに完了するとしており、南足柄市の加藤修平市長は「安全を確保する上での第一歩を踏み出せた」と述べ、箱根町の山口昇士町長は「予定通りに受け入れられるように努力したい」と話した。黒岩祐治知事は「地元住民の理解を得る難しさは骨身に染みて分かっている。ここまで大変な道のりだったと思うが、敬意を表したい」と話した。

 驚き。この三人は県政(市政、町政)を完全に私物化しています。「12月末までに完了」という言葉に怒りがわきます。この合意書は自治法に触れると思いますが、元来無知+腰巾着と放射脳に囲まれている県のバカ殿は「いいことした」と思っているのか…南足柄市でも、この事業は完全に市長+αのトップダウンで進められていて、職員は何一つ知りません。ごみ処理事業は自治事務だから、職員が知らないなんてありえない! 目を覚ませよ、と言いたい。この南足柄市では、がれき受入によって処分場の寿命が6ヶ月短縮されるそうですが、これでは、何を入れられるかわからないから、「次の処分場」を受け入れるところはどこもないでしょう。
 濃度を測定したって、いくら汚染度が低くったって、がれきの受入は違法なのだ。放射能は必ず地下水を汚染するのだ。でも、県は決して責任をとらないのだ。だって、そういう法令は存在していないんだから。責任を取らせるなら、公害防止協定をまず結べ。2013.8.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/