横浜市、汚染焼却灰の埋め立て始める

 廃棄物関連にさらに追加記事があります・・・。横浜市はめでたく放射性汚染廃棄物である汚染焼却灰を海面投棄(埋め立て)することになりました。横浜市はこれで保管圧力から多少解放されてほっと一息かもしれませんが、もちろんこれで済むはずはないのですが。

横浜 汚泥焼却灰の埋め立て始まる

2015年2月5日 18時08分 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150205/k10015246691000.html
  横浜市は、地元の反対から埋め立てを見送ってきた放射性物質を含む汚泥の焼却灰について、ほかの焼却灰と混ぜて濃度を下げたうえで、5日から埋め立てを始めました。埋め立てが始まったのは、横浜市内の下水処理施設で発生した放射性物質を含む汚泥の焼却灰で、5日、横浜港のふ頭にある最終処分場に運び込まれました。国の基準では、放射性物質の濃度が1キログラム当たり8000ベクレル以下の廃棄物はそのまま埋め立てることができますが、横浜市は港にある物流会社などで作る団体の強い反対を受けて下水処理施設の敷地内で保管を続けてきました。その後、団体との話し合いで、去年の4月以降に発生した濃度が比較的低い焼却灰にかぎり、ほかのごみの焼却灰と混ぜて濃度を100ベクレル未満まで下げたうえで埋め立てることで合意しました。これを受けて横浜市は5日から順次、埋め立てを進めていくことにしています。
   一方、去年の3月以前に発生した3万トン余りの焼却灰については、いずれも濃度が8000ベクレルを下回っているものの最終的な処分のめどはたっていません。横浜市下水道施設管理課の廣段雄治課長は、「残りの焼却灰についても、市民や関係者に安全性を丁寧に説明して対応していきたい」と話しています。

 ね、施設管理課長は、はっきりと、「残りの焼却灰(高濃度の指定廃棄物)」も、「同じ方法(=混ぜて薄める)」で埋めると言っている(下線部分はそういう意味です)。それに加えて、今後は、自分の町から出た汚染焼却灰だけでなく、「福島の焼却灰」も公然と運びこまれることになるでしょう。

「除染廃棄物焼却炉」住民に理解求める 伊達で説明会
2015年2月2日 http://www.minyu-net.com/news/news/0202/news6.html
 
除染で出た汚染廃棄物を焼却するため、伊達地方衛生処理組合が伊達市霊山町石田地区に整備中の仮設焼却炉で1日、住民対象の現地説明会が開かれた。12日の火入れ式を前に開催。午前と午後の2回開き、計約100人が参加した。午後の説明会には同組合管理者の仁志田昇司伊達市長が訪れ、「中間貯蔵施設へ運ぶ(廃棄物の)量を少なくするためにも重要な施設と考えている」とあいさつした。住民らは、汚染廃棄物の処理手順について説明を受けた後、焼却設備や灰保管庫などの施設を見て回った。仮説焼却炉は同市と桑折、国見、川俣の各町で生じた汚染廃棄物のうち、草木や剪定枝などの可燃物を焼却し圧縮する。(福島民友ニュース)


 何しろ国は「県外処理」すると言ってるんだから、福島県のごみ処理によって発生した汚染廃棄物は公然と県外の中間貯蔵施設(or最終処分場)に流れるわけ。行き着く先は、当然ながら「前歴」のある自治体に決まっています。したがって、がれきを燃やしまくって大気・水・土壌を汚染した東京都、今回のように放射性廃棄物を平気で海面投棄する横浜市・川崎市は、さらに難しい問題を抱え込むはず。公害事業に「妥協」は禁物です。一歩譲ると、状況は十倍も百倍も悪化するものだということがわかっていないと。

 それにしても「がれき反対」であれほど盛り上がった市民運動、いったいどこに行ったやら。国は「運動つぶし」のノウハウをしっかり積み上げているんだ~~2015.2.6

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/