プライベートでやや多忙なためブログアップが滞っています。お伝えしたい情報は目白押しなのですが。
で、今日は、全国汚染シンジケート、原子力発電環境整備機構(NUMO)による、恒例の洗脳シンポジウムのお知らせです。
説明及び日程は以下のとおりですが・・・このお知らせを見ただけでも頭にくる。
全国シンポジウム 「いま改めて考えよう地層処分」
~科学的有望地の提示に向けて~ http://www.chisou-sympo.jp/
日本には、これまでの原子力利用の結果、放射能レベルの高い廃棄物がすでに相当量存在しています。
その処分は、将来世代に先送りせず、私たちの世代で解決していくべき課題です。
国は、その処分の実現に至る長い道のりの最初の一歩として、本年中に「科学的有望地」を提示することを目指しています。 NUMOは、提示後も国と連携し、全国各地で対話活動を進めていく予定です。これらに関する検討状況などをご紹介しつつ、ご意見を頂くことを通じて、この課題を全国の皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
地層処分●高レベル放射性廃棄物(ガラス固化体)を
地下300mより深い安定した地層の中に処分する方法
シンポジウムの開催情報・参加申込
※開会に先立ち、13:15より地層処分の概要等をご紹介する映像を上映いたします。 よろしければ早めにご来場ください。
※上映映像は下記よりご覧いただけます。※2015年度全国シンポジウムの開催報告をご覧いただけます。
※東京・名古屋・大阪会場では託児サービスをご用意しております。 ご希望の方は参加お申し込みフォームにご記入をお願いします。
このシンポジウムの目的は、人々に、できもしない「死の灰の封じ込め技術(ガラス固化体)」と、ありもしない「科学的有望地」に対する幻想を植え付け、あわよくば「高濃度放射性廃棄物はいくらでも処理できる(=今後も原発は続ける!)」と信じさせようというものでしょう。
とんでもない話です。原発(という名の核開発)によって大量の「死の灰」が生み出されるのは、東海村に日本初の原発(東海村第一発電所、日本原電、1960年着工、1998年運転終了)が建設された時からわかっていたこと。でも、国・原子力マフィアはその「処理」のことを無視したまま、小さい島国に54もの原発を作ってしまったのです。なぜなら、「(使用済み核燃料の)処理法は誰にもわからなかった」から。
それを、50年もたった今になってーー311、フクシマを経験した後でーー「安全な処理法は地層処分」だって?
ちょっとおさらいしておく必要がありますが、日本では使用済核燃料を「リサイクル」すると称して、「再処理」を行っていますが、実はこの作業によってさらに多くの核分裂生成物が生まれ(現在、1900種類もの核種が知られているのだそう)、環境を汚染し、放射性廃棄物を増大させているのです。
「 高レベル放射性廃棄物は、使用済燃料の再処理により分離された核分裂生成物を含む濃縮廃液およびこれをガラス固化処理したものである。」
「再処理施設で使用済燃料からウランとプルトニウムを分離・回収する工程で種々の放射性廃棄物(超ウラン核種)が発生する。使用済燃料溶解液から溶媒によりウランとプルトニウムを抽出した残液(一次抽出廃液)には核分裂物質を中心に元の使用済燃料中に含まれていた放射性物質の大部分が残されており、『高レベル廃液』と呼ばれる。高レベル廃液は安定な固化体とするためガラス固化される。その固化体を『高レベル放射性廃棄物』と呼んでいる」
「日本では、これまで原子力発電の使用済燃料の再処理をイギリス及びフランスに委託してきた。この再処理から発生したガラス固化体は、1995年から海上輸送により返還され、青森県六ヶ所村の日本原燃(株)高レベル放射性廃棄物貯蔵センターに保管されている。日本原燃(株)が六ヶ所村に建設中の再処理施設で使用済燃料の再処理を本格的に開始(年間800トン・ウラン再処理)されると、高レベル放射性廃棄物の発生量は、ガラス固化体に換算して年間約1,000本程度の発生が見込まれている。」
(アトミカ http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_No=05-01-01-04)
使用済核燃料には燃え残りのウランやプルトニウム、ストロンチウムなどが混じっており、すさまじい熱(崩壊熱)と放射線を発するため、数年にわたって冷却プールで冷やさなければなりません。その後、ある程度まで冷えた燃料を取り出して、直接、埋め立てなどで処分・処理するのがワンススルー方式。一方、この燃料棒を剪断してリン酸トリブチル溶液などで溶かし、ウランとプルトニウムを取り出すのが「再処理」です。当然ながら、その工程で中に閉じ込められていた何種類もの核分裂生成物(アクチニド、トリチウム、炭素14、クリプトン85、ヨウ素129)が環境中に放出されるわけですが、希ガスで出るもの、あるいはごく微量な物質はほぼ垂れ流し。ごく微量でも猛毒で、強い放射線を持ちますが、国も原子力事業者はそういうことは話題にしもしないから、これらの物質名はほとんど市民に知られていないのではないでしょうか。
話を元に戻しますが、この再処理工程で、ウランとプルトニウムを取り出した後に残る最も毒性が強い廃液が高レベル放射性廃棄物。しかも、その量は原発の稼働に伴って増え続けます。それを地層処分してしまったら、いったい誰が、数百年、数千年後に責任を負うのでしょう(今だって誰1人責任をとっていない!)。と、動画を見たら、国と原子力マフィアははっきり開き直っていました。「・・・この方法により、人間が管理し続けることなく、長期にわたり人間の生活環境に影響を及ぼさないようにすることができる」人間は管理できない・・・「長期管理」する気などハナからないのです。ごみと同じように、とりあえず目の前から消えればいい、という考え、無責任にもほどがある。
NUMOのサイトの動画で、増田寛也という人がこういっています(元某県の知事だったのが、2014年6月には東電の顧問に成り上がり、バックエンドをPRしているようです)。
「原発の廃棄物については世界中で四つの共通認識があります。①人間が核廃棄物を監視し続けることは困難、②現世代の責任で解決の道筋をつける必要がある、③そのために、人間の生活環境から長期にわたって適切に隔離する必要がある。➃隔離の方法として地下深くの安定した岩盤に埋設する、ほかに有効な方法は見当たらない。」
唖然。管理も監視もできないような廃棄物を生み出す技術を導入したことこそ、間違いだったのです。その過ち、というか、原発の根本的な欠点は裁判などでもほとんど問題になることはなく(私が知る限り)、国は、そのことが問題にならないことを知っていて、再稼働、稼働延長、とさらに畳み掛けてきているのですね。解決の道筋は、すべての原発即時停止、長期にわたる廃炉計画を作ること、これしかないのでは。シンポジウムに行かれる方、どうぞ、怒りの発言をぶつけてください。2016.5.9