今年も残り少ないというのに「積み残し」に苦しんでいる私です。しかも重苦しい情報も多く、最悪だったのが24日の福井地裁による高浜原発再稼働逆転容認判決でした(⇒高浜再稼働をめぐる推進派の悪あがき | 南京だより)。市民に対し「(反原発など)あきらめろ」というクリスマス・プレゼントです。樋口判決をひっくり返すために送り込まれた裁判官らの意地の悪さと質の低さ。国民の批判はほとんど法曹界に向かないので、彼らは完全に「権力」となれあっているのですね。
でも、反原発と反戦は、日本の市民が何としてでも主張し続けなければならない存在の証です。それが「サバイバル・ウオー」を生き残ることにもなるから、あきらめるわけにはゆきません。だって、あきらめて、「彼ら」の行動に目をつぶったとたん、小さな島国・日本は、まっしぐらに放射性廃棄物処分場列島への道を進むでしょうから。
それを暗示しているのがこの↓ニュース(下線山本)。
東海再処理施設 保管場所 10年後不足 高レベル廃液 ガラス固化再開へ
2015年12月20日(日)
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14505232964377
日本原子力研究開発機構(原子力機構)は年明けにも、東海村村松の東海再処理施設で保管している高レベル放射性廃液をガラスと混ぜて固める作業を約9年ぶりに再開させる。ただ作業が順調に進んでも、ガラス固化体の保管能力は約10年後には不足し、新たな保管場所を確保できるかも現時点では不透明。最終処分場の選定に進展はなく、“核のごみ”の出口がない構図は変わっていない。
「長期間止まっていた。慎重の上にも慎重を期してほしい」。17日に水戸市内で開かれた県原子力安全対策委員会で、岡本孝司委員長(東大大学院教授)は再開を認めた上で繰り返し念を押した。原発の使用済み核燃料を再処理した際に生じる廃液は高レベル放射性物質を大量に含み、再処理施設内には現在、約400立方メートルが常時冷却の状態で保管されている。電源喪失すれば、水素爆発などによって放射性物質が外部放出される可能性がある。
核燃料サイクル工学研究所の山本徳洋所長は「安全確保を最優先に透明性にも留意しながら進めていきたい」と語った。東海処理施設にはガラス固化体が現時点で247本あり、今後の処理分も含めると最終的に約880本まで増える。現在の保管ピットは増強工事を行っても容量は最大で630本で、将来的に約250本分が不足する。
このため、原子力機構は固化処理施設に隣接するリサイクル機器試験施設(RETF)をガラス固化体の保管場所として活用する方針だ。だが、高速増殖原型炉「もんじゅ」の使用済み核燃料を再処理する予定で800億円以上かけて建設したRETFを、さらに費用をかけて別目的施設に転用することには批判がある。文科省の来年度の概算要求は撤回に追い込まれ、先行きは見通せない状況だ。保管場所が増えることに対しては、施設の新増設に関して事前了解の権限を持つ県や村は複雑な思いを抱く。県幹部は「リスクを下げるためにも固化処理は必要だが、最終処分場がない以上、村内に蓄積し続ける構図だ」と指摘する。
ガラス固化体は30~50年間にわたる中間貯蔵の後、地下300メートルよりも深い場所に処分されることになっている。ただ、具体的な処分地選定は一歩も進んでいない。「決まらないからしょうがないでは済まされない」。東海村の山田修村長は出口の整備を強く訴える。「東海村は原子力の研究開発は受け入れたが、ごみまで引き受けたわけではない」(戸島大樹)
この国の政府は、他に適地がなく、現地の反対もないとなると、「研究施設」を「ごみ処理施設」にすることくらい平気なのです。廃棄物は基本的に「発生したところで処理する」のが大前提なので。高濃度放射性廃棄物も、いずれは廃棄物処理法の対象になってゆくでしょう。受け入れが嫌な自治体は、急いで受入禁止の条例を作らないとね。2015.12.26
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ど、裁判官の中にはまだ生きている人もいる、ってことです。