中国のメディアが救援隊と共に被災地入りし、こちらでも初めて生々しい被災地の様子が報道されました。からっぽのコンビ二、泥の海を家族の遺留品を求めてさまよう人、放心した顔の男性。完全に押しつぶされたバス、屋根の上に車が積み重なり、電柱は根元からぽきりと折れ、鉄筋を見せています。……あまりのすさまじさに、言葉を失いました。
そこを生命を求めて捜索を続ける救援チーム・・・四川や玉樹報道でよく見たこういう映像が、東北地震には欠けており、今回初めて「人々」が登場した、という感じです。この報道の効果はすぐ現れました。中国人からどっとお見舞いのメールが入ったのです。
台湾のあるNGOからは「恐ろしい地震と核災害に心からお悔やみ申し上げます」という言葉と共に、ささやかだけど、寄付をしたいので、信頼できるNGOを教えてくれとの連絡がきました。それで、自治体は、ボランティアや民間の現場入りをまだ勧めていないのを知りました。救援活動のじゃまになるからって・・・驚き。この国は、自発的な市民の連帯行動まで規制する気なの?
そこで、私のMLで投げかけたところ、早速いつくかの推薦がありました。その中から、神戸の「被災地NGO協働センター」を選びました。関西大震災を契機にできたNGOで、すでにボランティアが現地で他のNGOと共に炊き出しや足湯などの活動をしたり、食料を届けたりしています。中でも野菜をリレーする試みは面白いと思いました。そのHPにはこういうリポートがあります。
「避難所は今、まだ水や食料が不足し、緊張状態にある。悲しみ浸る余裕すらないのであろう。これからそんな悲しみ、痛みの波が襲ってくるだろう。そんな人々に全国のひとひとりが、どう寄り添っていくかが問われている。」http://miyagijishin.seesaa.net/
公共機関は、人々の要求などわからないものなのです。中国の四川地震でも、発生から数時間後には、各地からいろんな人たちが完全に自由意志で現地に向かい、独自で救援物資を届けたり、ボランティア活動をしていました。中でも同じ被災経験者である唐山のチームは、被害者の心に寄り添った救援で語り草になっていました。ボランティアは、一方的な善意の押し付けではなく、行動する人も元気になるもの。私も日本にいたら参加したい。2011.3.16
東北大地震: 被災地に野菜を!
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/