東北地震の第一報を知ったのは、3月11日午後4過ぎ、神奈川県に住む友人の一本のメールからでした。「ゆれがすごかった。天井が傾いた。帰れない」。
震源地が東北、茨城県と聞き、すぐに考えたのが、原発銀座の安全性。今回の地震は、通常の地震災害に加え、津波被害、原発災害のトリプルパンチ。実態がわかるまで半月はかかるでしょう。でも、この頃は、まだ死者も報告されておらず、原発も「異常なし」でした。
でもその11日の夜、中国のテレビ番組で、専門家はこう述べていました。「地震は非常に激烈。おそらく死者は万単位にのぼるだろう」。えっ、じゃあ、四川地震に比べてどうなの・・・。私が実際見聞きした中で、これまでもっとも衝撃的だったのが四川地震なのです。でも、彼は「今回は四川地震の178倍」。
まさか・・・。後で知ったのは、地震発生時にアメリカはマグニチュード7.7と報じたけれど、中国では8.6とはじきだしていたのでした。四川地震が7.9だから、当然、死者も数万人規模ののぼると想定していたのです。これが11日のこと。その後、マグニチュードは8.8に書き換えられ、3月13日の今日は9.0までアップし、その間、原発が不気味な暴走を初めています。
「そんな規模は想定していませんでした」? 「安全なんじゃなかったのか?」んなばかな。
「原子力災害特別措置法」(今回それが発令された)は、原子炉の運転等により、「放射性物質又は放射線が、異常に高い水準で外部へ漏れ出し(原子力緊急事態)、国民の生命、身体又は財産に被害を生じさせる」のを想定しているのです。
つまり。事業者も国も裁判所も国民も、誰もが「原発は危険」なことを了解済みとの前提があるのよ。少なくとも、日本語が読めるなら、快適・便利な生活の裏の、こういう危険に気づかなかった、なんて言わないでほしい(ちなみにウチもはエアコンも暖房便座もないし、私個人は携帯ももたないのけど、あまり関係ないか・・・)。
同日、中国・雲南省でも地震がおきていますが、同地にはすでに被災者用テントが立ち並び、援物資も届き、人々はいちおう落ち着いています。四川地震の時だって、政府は「絶対、あきらめない」とくり返し、人々の連帯がとても高まり、同じ天災に会うなら、中国の方がいいかも、なんて思ったもんです。今回の日本政府の対応にはウソと隠蔽が多すぎる。
でも、信じたい。72時間のタイムリミットを超えても生還する人たちがいることを。
2011。3.13
東北大地震―祈り
この記事を書いた人
山本節子
調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
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