日本の自然エネ・プロパガンダ

 「自然エネ」「再エネ」プロパガンダは日本も負けていません。以下は、くりかえし送られてくるイベントの案内ですが、やはりモデルはドイツ。ほんと、「自然」とついただけで、みんな喜んでだまされる。

—————————————————————
10/17 パワーシフト主催院内セミナー
「電力小売り自由化から半年、改めて自然エネルギーを選ぶために」

http://power-shift.org/161017_symposium/
電力小売全面自由化から半年。スイッチングした消費者はまだ全体の約3%ながら、再生可能エネルギーを選びたい、原発の電気は選びたくないという市民のなかでも、実際の切り替えはこれからという人が多数です。
一方、秋から家庭向け小売を始める再エネ重視の電力会社は増えてきています。パワーシフト・キャンペーンは、今改めて、再生可能エネルギーへのシフトを 大きく呼びかけます。
再エネ電力会社をめぐる状況、ドイツの状況との比較、そしてパワーシフトな 選択をした企業・事業所など、それぞれの視点から、現状と課題、展望を共有します。私たち自身の選択を問う機会とできれば幸いです。
日時:2016年10月17日(月)16:30~19:30
会場:衆議院第一議員会館 多目的ホール (国会議事堂前駅)
プログラム(予定):
1)日本の気候・エネルギー政策の動向と再生可能エネルギーの展望
 高村ゆかり氏(名古屋大学大学院環境学研究科教授)
2)深化するEUとドイツの自由化~市民は電力市場の主役になれるのか?
 千葉恒久氏(弁護士)
3)ドイツの再エネ電力、グリーン電力ラベル協会からのビデオメッセージ ドイツの再エネ電力市場 手塚智子(えねみら・とっとり)
4)電力自由化の裏側とパワーシフト・キャンペーン
 吉田明子(FoE Japan)
5)質疑応答・ディスカッション
6)パワーシフトな選択をした企業・事業所、市民グループからコメント
 大石美奈子氏(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント相談員協会)
 大林ミカ氏(自然エネルギー財団)
 古賀真子氏(コンシューマネット・ジャパン)ほか、パワーシフト体験談(個人・事業所)
申込み:
https://goo.gl/forms/VvbMmGy3d9fdDUD93 参加費:無料
主催:パワーシフト・キャンペーン運営委員会
共催:衆議院議員秋本真利

 

 演題を見ただけで、おおよその中身は想像できますが、共催の議員は聞いたことがなかったので、Wikiで検索しました。すると、秋本議員はなんと神道政治連盟国会議員懇談会[5]みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会[5]の議員連盟に所属していました。政策的には憲法改正に賛成[1]女性宮家創設に反対[1]原発ゼロに賛成[2]カジノ解禁に賛成[3]だそう。そりゃ、思想信条は自由ですが、このような保守本流的議員が「自然エネ」を訴えている構図は非常に不自然。もっとも、自民党はもともと利権党ということを考えれば、それほど不思議はありませんが。

 では、自然エネを演出している市民団体の方はどうなのか。で、以前から気になっていた「パワーシフト・キャンペーン」の運営・賛同団体をチェックすると、名簿が出ていました。前記事 風力、ごみ発電推進の「世界ご当地エネルギー会議」を福島市で開催! (09/20) の主催団体のひとつ「全国ご当地エネルギー協会」も入っています(マーカー)。

パワーシフト・キャンペーンの運営団体・賛同団体(http://power-shift.org/organizer/)

運営団体

eシフト市民電力連絡会国際環境NGO FoE Japan*事務局団体認定NPO法人環境市民認定NPO法人気候ネットワーク電力改革プロジェクト首都圏反原発連合太陽光発電所ネットワーク北海道グリーンファンド

賛同団体(56団体:2016年5月現在)

<全国団体>

国際青年環境NGO A SEED JAPANコンシューマネット・ジャパン環境エネルギー政策研究所ふぇみん婦人民主クラブ日本ソーラーエネルギー教育協会原子力資料情報室主婦連合会全国ご当地エネルギー協会WWFジャパン国際環境NGO グリーンピース・ジャパンアジア太平洋資料センターCELC(クリーンエネルギーライフクラブ)原水禁NPO法人チルドリン緑の党グリーンズジャパンNPO使い捨て時代を考える会350.ORG JAPANBeGood Cafe

<地域団体>

足元から地球温暖化を考える市民ネットえどがわえねみら・とっとり環境まちづくりNPO 元気力発電所こだいらソーラー環境まちづくりNPO エコメッセNPO法人新エネルギーをすすめる宝塚の会・グリーンスタイル鳥取・きょうとグリーンファンド一般社団法人大磯エネシフト原発のない暮らし@ちょうふさようなら原発!烏山地域の会・サステナ界援隊・環境ネットワーク@大磯神奈川ネットワーク運動・北区市民発電所いいんかい・エコライフやちよ電気をカエル計画・自然エネルギーを考える川口市民の会・宗教法人 光泉寺・みどり共同購入会あまっこ市民エネルギープロジェクトスロー風土 ナチュ村関西よつ葉連絡会みたか市民協同発電メイド・イン・アース・NPO法人市民共同発電をひろげる城陽の会・NPO法人こがねい市民発電自然エネルギー市民の会おかとん原発いらん宣言2011NPO法人グーンコンシューマー東京ネット・台東リサイクルネットワーク・いとしま菜の花プロジェクト神戸シェアハウス和楽居北海道エネルギーチェンジ100ネットワーク東京生活者ネットワークエネシフみやぎ・パワーシフト福岡・グリーンエネルギー青森

 地域団体のほとんどは、再エネに問題があるなどとは思っておらず、本当に原発をやめたいという思いだけなのでしょう。でも無知は身をほろぼす。

 それから、名前はありませんが、再エネ推進の先頭にいるのが日弁連です。しかも導入目標まで指示している。

電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法改正に関する意見書 – 日本弁護士連合会

2016/02/18 – 1 国は、パリ協定に基づく我が国の温室効果ガス排出削減の実施のために、再生可能エネルギー導入目標(2030年の総発電電力量における再エネ比率の目標値22%から24%)を大幅に引き上げるべきである・・・

 

 この全体的な構図が、「自然エネ」被害者の人権無視、低周波音被害の否定につながっているわけです。弁護士の社会はギルドだから、たとえ被害者が提訴しても、まともに戦える弁護士などいるはずがないわけ。また、このような「新ビジネス」は時間が勝負だから、官民挙げての全国的推進ネットを作る前に、被害者の運動が全国に広がるのを抑えようという勢力が働いていたはずです。そんな単純なマーケティング詐欺にひっかかった側も問題ですが、その結果、国民全体の大幅な税負担アップ、環境悪化、身体被害につながってゆくのです。2016.10.16

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/