放射能がれき受け入れへの反対のしかた

  さて、環境省のガレキ処理方針は、ごみと同じように「燃して容量を減らす」ということにつきます。そこで「フクシマを助けよう!」とキャンペーンをはり、他県に協力を強いているのですが、こういう場合、モデルケースになりやすいのが、神奈川県。「拒否」を貫いているあっぱれな県もあるというのに、神奈川県下ではこんなにたくさんの自治体が受け入れを表明していました。

 横浜市


 川崎市


 横須賀市


 藤沢市


 茅ヶ崎市


 逗子市


 大和市


 相模原市


 厚木市


 小田原市


 南足柄市


 箱根町


 高座清掃施設組合(海老名市、座間市、綾瀬市)


 泰野市伊勢原市環境衛生組合(秦野市、伊勢原市


 足柄東部清掃組合(中井町、大井町、松田町)


 足柄西部清掃組合(山北町、開成町

鎌倉市、平塚市、三浦市、葉山町、寒川町、大磯町、湯河原町、真鶴町、愛川町、二宮町、清川村の11市町村に敬意を表します)
 放射能ガレキは燃してはいけません。焼却炉は汚染の拡散施設だし、空気に戸は立てられない、フクシマから出た放射性物質も、そうやって世界に拡大しているのです。
 行政が汚染の拡大に手を貸してはいけません。受け入れ自治体にお住まいのみなさん(他県の方は調べてね)
、すぐに役所に受け入れ中止を働きかけて下さい。参考までに、下にその理由をいくつかあげておきます:
 ① いかに非常時とはいえ、ガレキはれっきとした産業廃棄物。国が市町村にその処理を求めるのは違法だし、引き受けるのも違法です(地方自治法、廃棄物処理法、政令指定都市は可能だけど、放射能汚染がれきは処理が法定されていない)。
 ② 百歩譲って引き受けたとしても、放射能がれきの受け入れに対する住民の意見を聞き、処理計画を決め、議会の議決を得るくらいのことはやらなきゃ(ゴミ処理の手続きはかなり面倒なのです)。それもやらずに、首長が独断で決めて、民主主義っていえる?
 ③ さらに千歩譲って、焼却することになった場合、誰がどうやってガレキの放射能を測定したり、分別したりする? 環境中に出た放射能SPM(粒子状物質)は、誰がどうやって測定する? その数値の住民周知は? 高濃度に凝縮された焼却灰(特別管理産廃+&)を、誰がどうやって処理し(運搬含む)、どこに保管・処分する? 埋め立て後の処分場の管理・責任は誰に?
 ④ 焼却炉その他処理システムに問題が起きた場合、原発以上の救急・復旧システムが必要だけど、その用意はある? なしで始めちゃうの?
 ⑤焼却処理実施後、周辺あるいは煙の最大着地地点周辺、あるいは風向きによってより広範囲な地域で、特定の病気のクラスターが発生すると考えられる。その場合、病気の診断や治療の保障は? 死亡例はどこからどこまで保障する?(★ちなみに、被曝の証拠として、毛髪保管運動とカルテ保全運動もすすめて下さい!)
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 放射能測定調査から帰って、私は、やっぱり一般市民の全県避難が必要だと感じています。くりかえしますが、放射能がれきは燃してはいけません。残酷な言い方ですが、放射能汚染ガレキは、発生源もしくはその近くにコンパクトに封じ込めるしかないのです。それが、原発を受け入れてしまった自治体が引き受けなければならない運命なのです。
 政府は今、被災者の避難先までも先回りして汚染しようとしているわけですが、そういうことをする権利は、国にも自治体にもありません。2011.10.29

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/