久しぶりに「焼却炉」関係ニュース。岐阜市と羽島市・羽島郡の思惑が入り乱れていますね。
岐阜市と羽島市、羽島郡2町でつくる岐阜羽島衛生施設組合は27日、一部地権者との交渉が難航している次期ごみ処理施設の建設計画地について、「状況は改善に至らず、これ以上事業を引き延ばすことはできない」として羽島市内で新たな候補地の選定を始める方針を明らかにした。岐阜市役所で開かれた組合議会全員協議会で、組合副管理者の松井聡羽島市長が報告した。計画発表から8年を経て、方針を転換した。組合は2006年、次期施設の建設候補地に同市下中町を選定したと公表。その後、地権者の強い反対を受け、用地交渉が進まなかった。
岐阜市境川の現施設の稼働が停止する16年3月末までに建設は間に合わない状況で、自前施設を持たない羽島市と羽島郡2町は今年に入り、16年4月以降のごみ処理を市町外の施設や業者に委託する方針を固めている。全員協議会で、松井聡市長は「事態を打開する次善の方策を講じるため、羽島市内から新たな候補地を組合に提案したい」と述べ、都市計画決定済みの現候補地と並行して進める方針を表明した。組合管理者の細江茂光岐阜市長は、取材に対し「現在の場所をギブアップしたわけではない。羽島市の努力を見守り、候補地として出てきた場合は組合として必要な支援をしていく」と話した。
地権者が反対しているのに、都市計画決定してしまったというお粗末。岐阜市の現行焼却炉は、長寿命化工事によって多少は延命可能というものの、やはり羽島市に作らせたいはず。で、今後は金銭攻勢をかけるつもりなのかも。この施設の建設予定はすでに環境省も了承しており[PDF 1,445KB]、組合管理者の岐阜市長が「必要な支援」と言っているのは、そういうことです(羽島市長は副管理者)。
羽島市や群に自前施設がないというのなら、2006年から「ごみゼロ」をめざして代替案を積極的に進めていれば、ゴミの大幅減量ができたはずです。日本の地方自治体は、なぜ、「ごみ処理」が自治事務だということを忘れてしまったのでしょう。2014.10.30