子宮頸がんワクチン、今度は一歳児がターゲット?

 世界じゅうで大きな被害を出し、訴えも起こされている「子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)」。

 ところが、四価HPVワクチン「ガーダシル」のメーカー、メルク社は、「危険・有害」が証明されたに等しいこのワクチンの製造を止めるどころか、一歳児を対象にした臨床試験を始めていました。対象はハンガリーの子どもたち、対象月齢は出生直後、2ヶ月、6ヶ月。ハンガリー国家児童健康研究所が実験を行い、来年(2017年)2月には最初の結果を出すようです。

Gardasil-Vaccine-Trials

https://clinicaltrials.gov/ct2/show/record/NCT01995721

 対象疾患は子宮頸がんではなく、Recurrent Respiratory Papillomatosis(再発性呼吸器乳頭腫症、RRP)という呼吸器の病気です。それにしても、若い女性向け「子宮頸がん予防」として発売されたHPVワクチンが、なぜ、乳幼児に向けられているのでしょうか?

 その理由をたどってゆきます。

 実はアメリカでは、四価ワクチン・ガーダシルは、当初19~26歳の若い女性向けの「子宮頸がん予防」用に製造され、CDCの認可を受けました。しかし有害副反応や死亡報告が相次ぎ、売れ行きも芳しくなく、企業は行政と手を組んで、接種年齢を「11歳~12歳」に大きく引き下げたのです。この時、巧妙な宣伝と情報操作が行われたようで、親世代を含む新たなターゲット層はおそらくこのワクチンを歓迎し(日本でも同じです)、結果として13歳から17歳の女性のうち、このワクチンを接種したのは約40パーセントにのぼりました(2014、http://kff.org/womens-health-policy/fact-sheet/the-hpv-vaccine-access-and-use-in/)

 その結果、全米で有害副反応や死亡が相次いで大きな社会問題になりました。CDCに報告された死亡事例だけでも117人にのぼります(2015年8月までhttp://www.cdc.gov/vaccinesafety/vaccines/hpv/hpv-safety-faqs.html実際の死者はその十倍~百倍と言われています。

 しかし、メーカー/行政は、ワクチンとの関係を認めるどころか、HPV接種対象を男児や25歳以上の女性にも広げる真逆の動きを強めています。それだけでなく、妊婦や45歳以上の女性にも接種を拡大しようとしているので、そのうち成人男性も接種が義務付けられるかもしれません。

 ちなみに、日本ではHPVワクチンの被害は「思春期の女性特有の心因性反応」としてワクチンとの因果関係が否定されたままですが、男児にも、同じような被害が出ていることについて、私が知る限り、学者たちからの反論はなし。

 この流れを見ると、赤ちゃんがいずれターゲットになるのは時間の問題でした。でも、赤ちゃんや幼児が「性交渉で感染するウイルスで病気になる」ことは普通、ありえないので、親は決して乳幼児へのHPVワクチンを受け入れないでしょう。しかし、メーカー側は、乳幼児への接種を正当化できる工夫をしていました。

 四価ガーダシルには、発ガンリスクが高いとされるHPV16型と18型、そして、発ガンリスクは低いけれど、尖圭コンジローマという病気をもたらすHPV6型と11型が含まれています。母親がこの尖圭コンジローマに罹患すると、子どもがRRPを起こす可能性があるので、それを予防するためにHPVワクチンを赤ちゃんに打ちましょう、というわけです。有効性の根拠? 自社の怪しげなデータがあるだけでしょう。ちなみにB型肝炎ワクチン(HepB)の背景もまったく同じ、実際は接種の正当性も必然性もありません。

子宮頸がん予防ワクチン接種 www.tokyo-ladies.jp/pdf/gardasil_web.pdf

ガーダシルワクチンは子宮頸がんと尖圭コンジローマ(性感染症)の2つを予防します… 子宮頸がんの原因となるHPVは女性の外陰部、膣、子宮頸部、男性の亀頭、陰のう、尿道、肛門 …. 器乳頭腫症(RRP)を発症してしまうこともあります・・・

原因ウイルス「HPV」でこんな病気も | 子宮頸がん予防情報サイト もっと守 …

www.shikyukeigan-yobo.jp/hpv/index.xhtml 妊娠中の尖圭コンジローマが母子感染を起こすと、子どもが再発性呼吸器乳頭腫症(RRP)になることがあります。 妊娠している女性 … 外陰上皮内腫瘍は、外陰がんに進行する可能性のある腫瘍で、HPV感染が原因となっているのは半数程度です …

 

 ワクチンは、社会経験の少ない若い親たちの恐怖をあおる、「脅しの医療産業」なのです。すでに、メーカーとしては、HPVワクチンの評判ががた落ちの先進国では、この先売れ行きが見込めないこと、すでに9価ワクチンが認可されているので、早い段階で4価ワクチンの在庫を減らさなければならないことから、ハンガリーが、そして乳幼児が選ばれているのではないかと考えます。いずれにしても無情で悪質。日本小児科医学会などの無能ぶりにもため息です。2016.12.12

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/