太平洋の放射能拡散

   汚染は海域から淡水魚にまで及んでいます。淡水魚は海洋にくらべて生息域が狭いので、濃縮度合いがひどいのかもしれません。 

放射性物質:飯舘のヤマメ、1万8700ベクレル検出
「毎日新聞」2012328日 2311
  福島県は28日、飯舘村の新田川(にいだがわ)で捕れたヤマメから国の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)を大きく超える1万8700ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。昨年4月にいわき市沖で捕れたコウナゴの1万4400ベクレルを超え、海を含め魚からの検出値では最高となる。県は関係漁協に新田川本流・支流全域でヤマメを捕獲したり、食べないよう自粛を要請した。4月のヤマメ漁解禁の前に試験採取したもので、流通していない。http://mainichi.jp/select/wadai/news/20120329k0000m040085000c.html



 そのほかにも、同県南相馬市・太田川のヤマメから2070ベクレル、檜原湖のウグイから570ベクレルが検出されたため、政府は29日、新田川と太田川のヤマメ、檜原湖、秋元湖、小野川湖、長瀬川のウグイなどの出荷停止を指示しています。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120329/dst12032921010012-n1.htm
 ただし、養殖ものは除外されているので、天然か養殖か見分けられない消費者は、同県の淡水魚は避けた方がよさそう。では、海の魚は? …こちらは、信じられないニュースが。
東電が魚介類を初調査 原発20キロ圏、漁協が協力
2012/03/29 09:00   【共同通信】
東京電力は29日、福島第1原発20キロ圏内の海域で魚介類に含まれる放射性物質の調査を始めた。東電による魚介類調査は初。調査は6月までの3カ月間の予定で、同原発の北側は相馬双葉漁協が、南側はいわき市漁協がそれぞれ協力。東電が海底土の汚染を事前調査した地点から毎月計10カ所選び、魚介類を採取する。この日は福島県楢葉町の木戸川沖でコウナゴが調査の対象。表層に生息するコウナゴは今年に入り、県による周辺海域の調査では放射性物質はほとんど検出されていない。
 放射性物質はほとんど検出されていない!? では、この地図↓をごらんあれ。


 これは米国務省地理局(正式名は?誰か教えて)が、NOAAやアメリカ海軍などのデータをもとに作成した、2012年3月の太平洋における放射能拡散図です。これを見て、関東や東北の沿岸漁業は安全、なんて誰が思うでしょうか。東電がこれまで調査をしなかったのは、汚染がわかっていたからなのです。
 事情は陸でも同じこと。たとえND(測定値以下)でも、放射能が広範囲に広がっていることはもう否定できません。汚染地域での食料生産はやめてほしい。それは、がれき広域処理と同じように、全国に内部被爆の危険性を広げるからです。政府は、原発被災者の農林水産業を支援するのではなく、彼らの廃業を認め、比較的安全な地域への移動を支援し、住まいと職を確保してあげた方がずっといい。
 この上、がれきを広域拡散すると、日本ではいずれ、食べる物がなくなります。するとどうなるの? もちろんアメリカは喜ぶでしょう。GMOや成長促進剤、各種の薬剤や化学薬品づけの食料がどっと入ってくるはず。だから、がれき拡散は、実は宗主国・アメリカの指示かもしれない、そう私は考えています。2012.3.30

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/