大阪、がれき測定当日、そらまめ君欠測

 前後しますが、大阪市は24日、試験焼却用のがれきを此花区で測定しています(大阪府の指針にもとづく事前測定です・・・市の指針ではなく)。 
 大阪に試験焼却用のがれきが運び困れてはや作業場内1箇所、敷地境界4箇所で、受入前1回、受入中1回測定を行いました。測定結果が、基準(10本/L以下)を満たしていることを確認しました。
http://www.pref.osaka.jp/shigenjunkan/haikibutukouikishori/tumikae_shiken.html




























測定地点 総繊維数(受入前) 総繊維数(受入中) 基準
事業場内 0.45 1.8 10以下
敷地境界東側 0.11 0.056
敷地境界西側 0.22 0.056

敷地境界南側

0.11 0.11
敷地境界北側 0.17 0.11
 ※総繊維数とは、長さ5マイクロメートル以上、幅3マイクロメートル未満で、かつ、長さと幅の比が3対1以上の繊維状物質を計数したもので、アスベスト以外の繊維も含んでいます。
 ※試料採取日:受入前 平成24年11月16日 受入中 平成24年11月24日 
  
 これを見れば、受け入れ前に0.45本だったアスベストが、受け入れちゅに1.8と、四倍に増えたことははっきりしています。その他の地域で数値が下がっているのは、風向がかかわっているせいかもしれません。それを調べようと、近畿地方のそらまめくん(大気汚染物質広域監視システムhttp://soramame.taiki.go.jp/DataMap.php)を見たところ、なんと!
 24日の9時から10時まで、測定が行われていない!地図も空白だし、時報値表にも「対象データは存在しません」とあります。http://soramame.taiki.go.jp/DataHyou.php?BlockID=06&Time=2012112410&Pref=27
 それなのに、線量とアスベストは公表されている。線量とアスベストはいったいどのように測定したのか、あるいは24日に、それこそ「試験焼却」したのではないかという疑問がわきます。というのは、行政はがれきが大量の有害物質を含んでいること、それを燃せば大気汚染物質が出ることを承知しているからで、24日には念のため測定を止めていた・・・そう考えられます。環境省のマニュアルでは、一般環境④廃棄物処分場周辺におけるアスベストの測定は、平日昼間の連続三日間となっていますが、それを「受け入れ中」の一回でクリアしてしまっているからです。
 焼却炉は有害化学物質の排出源。焼却に頼る国に生きる市民は、知らなければならないことが数多くあります。本焼却を止めたければ、「逮捕者奪還」作戦に走るより、こういう問題をきっちり追っていかないと。2012.11.26                                                                                              

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/