告発人を告訴? 森富山市長の妄言のウラ側

  今年最後の記事も富山の話題です。私が筆頭告発人になって森富山市長を告発したのが今年2013年5月。それが年も押し迫った12月26日、「不起訴にする」との連絡がありました。その報道はこちら↓

がれき受け入れ反対派の森市長告発、不起訴処分
2013
12
26
19:17
現在
http://www2.knb.ne.jp/news/20131226_39018.htm
 東日本大震災で発生したがれきの受け入れに反対する市民団体のメンバーらが富山地区広域圏ががれきの受け入れを決めたことは「職権濫用」にあたるとして今年5月、富山市の森市長に対し行った告発について、富山地方検察庁は26日、この訴えを退けました。訴えは「放射能から子どもを守ろうin富山」のメンバーなど県内外の33人が富山市の森市長に対して起こしたものです。告発によると富山地区広域圏事務組合ががれきの本格焼却を決めたことは、広域圏がごみ焼却施設の周辺地域の一部と結んでいる「公害防止協定」を一方的に破棄する行為だと主張していて、富山地区広域圏の理事長である富山市の森市長を、「公務員職権濫用罪」や「背任罪」に問うとしていました。これに対し富山地検はいずれの罪についても「嫌疑なし」または「罪にあたらない」として26日付けで訴えを退け不起訴処分としました。

 焼却炉、処分場が公害施設である以上、公害防止協定(官民の契約)を守るのは行政の義務。それを一方的に破棄したのは、民法にも違反するし、行政機関にとってはれっきとした犯罪行為で、それは子供でもわかる道理です。それを、法律を守らせる立場にある検察が「嫌疑なし」なんて言えるはずはない。富山地方検察庁のサイトには、一応、まともなことが書いてありますが…http://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/toyama/toyama.shtml

 警察は刑事事件の第一次的な捜査を行い,検察庁は起訴・不起訴を決定するための捜査を行います。 日本では,起訴は検察官に与えられた権限であり,警察官は起訴できないことになっています。従って,検察官は裁判所に対し起訴してその処罰を求めるという責任があるため,警察からの捜査記録などを確認するだけではなく,その内容が真実であるかどうかを,事件の当事者から必要に応じて直接事情を聞くなどして,積極的に自ら事件の真相解明に努力しています。

 ほんとに当事者に事情を聞いたの? そうではなく、裏で話をつけたのでは? そう思ったのは、上の報道の二日後、北日本新聞がこういう「気になる」記事を流したから。

がれき反対市民団体を虚偽告訴で告訴検討 不起訴受け森市長  (12/28 00:13) 森富山市長は27日、震災がれきの受け入れに反対する市民団体から傷害や背任など三つの容疑で富山地検に告発され、不起訴処分となったことを受け、市民団体を虚偽告訴罪で告訴することを検討する考えを明らかにした。 市役所で記者団の取材に答えた。市長は、「外形的に犯罪事実や違法性があるわけではないのに告発するのは、一つ間違うと誣告罪(虚偽告訴罪)なので、それは真剣に考えたいと思う」と述べ、市民団体の告発状の内容を確認した上で、場合によっては名誉毀損による損害賠償や精神的苦痛による慰謝料も求めて提訴する可能性を示唆した。市長は市民団体に対し、「大人げないことをしたくないが、社会のためには法というものはそういうものだということをちゃんと示すのが私の役割かと思う」と語った。

 おっとっと、これって市民の権利を否定する大変なニュースだよ。告発するのは市民の権利であり、告発されるような事業を行った行政が悪いのです。普通、訴えられた方は、おとなしく「市の姿勢が理解されてよかった」くらいで終わるのに、彼は、市民に対しもう二度と告発などするなと暗に脅しをかけているわけだから、異常。この発言はまた、今後も同じようながれきや放射性廃棄物の受け入れを考えているという意味でもあるから、よけい自治体の長として不適切です。問題化している滋賀県の汚染チップの行先も、あるいは富山かも(現在、行き先不明)。
 この発言を伝えたのが北日本新聞だけだった、というのも意味深です。このニュースが全国的に報道されると、森が叩かれるのはまちがいないので、大手マスコミは黙殺したのでしょう。つまり、森市長はほんとはこの告発に相当怯えていて、北日本新聞を通じて「地元民」むけに自分のメンツを取り戻し、返す刀で告発者を逆に脅しにかかったわけです。

 それにしても発言は「異常」。で、検察を調べたら、なんと富山検察庁の信田昌男検事正は、れっきとした創価学会員でした。しかも、東京都東村山市で起きた朝木市議の自殺(殺人)事件を調節担当していた当の本人だというから驚き(当時は検事)。

 「朝木市議の生前に起こった暴行事件や当該殺人事件を担当したのは、なんと創価学園・創価大学出身のバリバリの創価学会員である信田昌男検事だった。担当検事の信田昌男が創価学会信者だったことは、事件の9ヵ月後に『週刊新潮』1996年5月29日発売号で報じられるまで、同僚の矢野穂積市議も娘の朝木直子さんも全く知らなかった。同僚の矢野市議や遺族の朝木直子さんらは、信田昌男検事が創価学会信者であることを知らずに、全ての情報を彼に提供し相談していた。実は、この信田検事の上司の吉村弘東京地検八王子支部長も創価学会信者だった…」。http://blogs.yahoo.co.jp/posutoman21/44237415.html

 関東地方ではよく知られている朝木市議殺人事件は、いまなお未解決。そこに創価学会の関与があったという指摘は根強く、行政組織(特に警察)に創価学会の影響が及んでいることが懸念されていますが、検察にも創価人脈が及んでいたのか...とにかく、「信田検事正」と「学会」で検索するといろいろ出てくるので、お正月休みにでもチェックしてみてください。公明党は当初から、がれき広域処理の推進者だったしhttps://www.komei.or.jp/news/detail/20111201_6746)富山の行政もまた学会の影響を強く受けてきたのかもしれません。こうなると、「法」は無視される。だって、その結果として、富山県市は公害防止協定(法)を無視し、「絆」(宗教)で、2013年6月から9月まで約1200トンのがれきを受け入れたわけだから。情けないなあ、富山。2013.12.31

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/