告発人を告訴? 森富山市長の妄言のウラ側 続き

 前記事を書いているうちに猛烈に腹が立ってきたので、富山検察庁をも少し調べました。
 創価学会員である信田検事正が富山に来たのは2012年5月のこと(なお、私は「信教の自由」は尊重しますが、創価学会は新興宗教、一種のカルトだとみなしており、学会員が公職につくのは不適当だと考えますー。当然、公明党の存在も、政教分離の原則に反すると考えています。)
 当時の記事で、信田氏はこういう風に紹介されています。

富山地検:「富山は 自然 が豊かで楽しみ」 信田検事正が会見 /富山  
 …北陸地方での生活は初めてだといい、「富山は食べ物や自然が豊かで楽しみ」と話した。 信田検事正は東京都出身、創価大学法学部卒。横浜地検特別刑事部長やさいたま地検次席検事などを歴任し、2日に着任した。 昨年4月に発生した焼き肉チェーン店での集団食中毒事件 (毎日新聞 2012-5-8 16:18:44)  

 記事は途中までしか読めませんが、当然、彼が東村山の朝木議員転落死事件を担当したことなど書いてなかったでしょうねえ・・・
 ところが、私たちががれき問題で森市長を告発した5月25日のすぐ後、信田氏は最高検察庁に異動していました(注:2013年1月28日にも人事異動が出されていますが、これは内示か? なお、この時の彼の肩書も、なぜか富山地検検事正ではなく東京高等検察庁検事となっています。意味は不明。http://saibankan-jinji.seesaa.net/article/182870422.html

2013.6.5付 法務省人事【法務省人事】

信田昌男 最高検検事(富山地検検事正)
落合義和 富山地検検事正(最高検検事)

 
 なるほどねえ。公明党が推進するがれき広域処理に関する告発だから、創価学会の彼が「不起訴」を出すのはまずいと判断したのか。なんと姑息な。・・・で、その後釜として「不起訴」を決めたのが、落合義和検事正。地方紙は写真入り(カット)で報道していました。

「期待に応えたい」 富山地検・落合検事正が抱負 (朝日2013年6月10日)http://www.asahi.com/area/toyama/articles/OSK201306100057.html
【吉川喬】富山地検の落合義和検事正(53)が10日、着任会見を開き、「警察をはじめとした関係機関と一致協力し、県民の期待に応えたい」と抱負を述べた。東大法学部卒で、東京地検刑事部長や最高検検事などを務めた。5日付人事。富山市で2010年にあった殺人放火事件を巡っては、殺人などの容疑で逮捕された元県警警部補について富山地検は5月、処分保留とした。落合検事正は「あってはならない事件で、真相を解明したいという気持ちは誰にも負けない」と話した

 上の記事の「元警部補殺人放火事件」は2010年4月に発生した、陰惨な事件です。ところが容疑者がはっきり容疑を認めているにもかかわらず、落合検事正と井上一朗次席検事は「嫌疑不十分」と不起訴を決め、容疑者を無罪放免したのでした。http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130724/crm13072416270013-n1.htm これにはさすがに、県警さえ「真相解明されず遺憾」 元警部補不起訴で富山県警というくらいだから、市民も「おかしい」との声が圧倒的。何か相当、後暗いことがあったのでしょう。…しかも、落合にはまだまだ余罪がありました(こうなると、もう呼び捨てです)。

 前田検事らを偽証容疑で告発 (ロイター 2010年 10月 6日 01:04)
http://jp.reuters.com/article/kyodoNationalNews/idJP2010100501000517
 朝鮮総連の土地・建物などをだまし取ったとして詐欺罪に問われ、二審で公判中の元公安調査庁長官緒方重威被告の弁護人は5日までに、一審で虚偽の陳述をしたとして偽証容疑で大阪地検特捜部の検事前田恒彦容疑者=証拠隠滅容疑で逮捕=らに対する告発状を最高検に送付した。ほかに告発されたのは、取り調べを担当した落合義和元東京地検特捜部副部長(現・法務省刑事課長)。告発容疑には、特別公務員暴行陵虐も加えた。

 私が日本にいなかった間の事件で、よく把握していない、というか初めて知ったくらいですが、まず間違いなく冤罪事件でしょう。しかも「陵虐罪」での訴えというからいは、落合が暴力的な取り調べを行ったのは間違いありません。その具体的なやり方が、阿修羅に紹介されていました。

(引用)
 朝から晩まで長時間の取り調べ、検事の恫喝や脅迫、そしてウソをまじえた泣き落としなどに屈し、一時とはいえ、偽りの自供に追い込まれてしまった。元公安検事であり、元高検検事長であり、そして公安調査庁の長官でもあり、検察の手の内を知り尽くしているはずの私が、一時的とはいえ、虚偽の自白に追い込まれてしまった。いやはや、こんな泣き言を元検察官から聞きたくはありませんでした。ホントです。
 落合義和特捜副部長は、机を平手でバンバンと叩きながら、自供を迫り続けた。
「いつまで嘘を続けているんだ」
「いいか、検察は徹底的にやる」
「いつまで黙秘しているんだ。いい加減に目を覚ませ。証拠は全部そろっているんだ。このままじゃ一生刑務所だ。生きて出られると思っているのか」
「刑務所で死ね。否認は2割増の求刑を知っているだろ」
 著者は保釈がなかなか認められず、8ヶ月も拘置所に拘留されました。人質司法です。
(緒方重威著 『公安検察』 講談社)  
http://www.asyura2.com/10/senkyo97/msg/116.html

 なあんだ、富山検察庁の検事は、全員冤罪作り常習犯、犯罪者にやさしい連中ばかりじゃないの。森市長はこんな連中とつるんで「がれき受け入れ」を強行したの? そして告発した市民を「告訴する」なんて言ってるの? とにかく検察がこれほど腐りきっているとは知りませんでした。次に富山に行ったら、必ず検察庁を取材しないと。それにしても、年明け早々、こんな記事を書くとはね。今年も思いやられるなあ。2014.1.2

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/