ちょっと出かけていた間に、鳥取県米子市の産廃問題に新たな火種が発生していました。
11月19日日曜日、朝10時ごろから、複数の右翼の車が、予定地の「関係自治会」の西尾原自治会、上泉自治会、下泉自治会、小波上自治会、小波浜自治会を、なめるよう街宣して回ったそうです。スピーカーから、大音響でくり返し流されたのは、「産廃処分場は必要だ」「淀江産廃処分場を急いで作りましょう」「浄化した水は飲料水にもなるほどきれいです」などというもの。ま~、推進側の刺客に違いありません。
(街宣車には「祖国防衛隊」「島根県本部」などと書いてあるのが読み取れます。写真は:https://www.facebook.com/746662915441632/photos/a.1240546052719980.1073741832.746662915441632/1467419730032610/?type=3&theaterから)
この「脅し」を、現地の人々はどういう思いで受け止めたことか。
ちょっと振り返ると、この問題について審議しようとした9月29日の米子市議会全協は、漁業者・市民の反対で流会となりました。そこで、何とか事業を先に進めたい鳥取県は、二回目の全協を開くよう米子市に命じ、伊木米子市長もこれに応じて、11月6日、バリケードを巡らす中で二回目の全協が開いています。しかし満席の住民からはブーイング続出。野次で大勢の退場者を出す騒ぎになったのは記憶に新しいところです(本ブログの過去記事を見てね)。
淀江の水を守りたいという住民の意思は強く、「漁業権」を盾にした漁協の反対もあって、今後事業は簡単には進められないところまできています。よほど汚い手を使わない限り。
というわけで、追い詰められた事業者側がとったのが、右翼を動員して住民を脅すという手だったようです。だって、県や市の主張も、「産廃処分場は必要!」「安全・安心!」「税金で作ってあげよう!」と、右翼とそっくりだから。街宣の資金源についても、知事や市長がらみではないかと地元ではささやかれているそうです。そういえば、米子市長は北朝鮮問題で不穏当な発言をしたことも聞いてるし、右翼となじみがよさそう。
いえ、これが民間事業者なら、どれほど追い詰められても、決して右翼を使うというような危険は冒しません。右翼だの指定暴力団だのがからんでいるとわかると(実際はからんでいても、決して表には出さない)、住民が強く反発して徹底抗戦に訴えるし、下手すると事業免許まで取り上げられかねないからです。
それにしても、これまでいろんな運動に関与してきた山本にとっても右翼の登場というのは初めて。推進側はそれほど必死になっているのですが、こうなった原因のひとつは、「産業界と仲良しの知事、市長」を選んでしまったこと。次に、この事業は、「産廃処理は事業者責任」という原則を無視し、予定地住民や漁業者の権利を完全に否定しているという点で、明らかに違法。さらに、この計画の根拠となっている県条例そのものが違法です(法律については面倒なのでスルー。今度チャンスがあれば解説します)。
つまり、この計画は法治主義の原則を無視している、違法な法令を根拠としている。
違法な法令は無効なんですけどね・・・そのことがわかる鳥取県人がいないため、住民が苦しめられているのです。2017.11.22