南京だより:どろぼう‏

  3日ほど前から、気温がぐんと下がりました。先週は半そで
だったのに、今日はセーターにコート、マフラーも要るという
寒さです。みなさんもお風邪を召されないように。
 
 ところで先日、授業から帰ると、アパートの前で、見知らぬ
二人のおっさんが一階のウチの窓あたりを覗き込んでいます。
で、ニイハオと声をかけました。
 すると二人はまじめな顔で、「あんたはここの住民か」など
と聞きます。そうよ、と答えていると、顔みしりの二階の女性
が降りて来ました。「夕べ泥棒が入ったの。取られたのは数百
元くらいで、たいした額じゃないけど…」
 
 ど、どろぼう? 当然ですが二人は警察官でした。
 それにしても、一階には鉄格子が、二階以上にはバラの枝の
ような忍び返しが植え込んであるのに、どうやって入ったの?
「ほら、浴室にはないでしょう。一階の窓が開いていて、そこ
に足をかけて二階にあがったのね」
 
 …思い出した。夕べ遅く母子がシャワーを使った後、窓を全
開にしていたのです。私がそれに気づいたのは朝でした。
私はすぐ母子を呼び、警察と被害者の前で、自分たちが窓を空
けたままにしておいたことを認めさせ、そして「寝る時はちゃ
んと閉めなさい」と注意して部屋に入りました。現場で注意し
ないと、悪い習慣は直らないからです。
 この泥棒事件はすぐ全住人に伝わったようで、同じ南秀村に
住む思想史の教師(女性)に、「知ってる?」といわれ、前の
棟のおばあちゃんには「あんたは日本人だから、余計気をつけ
なさいよ」と声をかけられました。どうも、泥棒より、取られ
た人の不注意が重視されているような…。そういえば、上海路
のアパートでは、ほとんど全戸がどろぼうに入られたと聞いた
っけ…。ありがたいことに、私は未経験。
 ところが同じ日の夜、もう一つ問題が発生しました。
 12時ごろ、娘がトイレを使った後、いつまでも水がとまりま
せん。これも初めてではないし、何回か注意していますが、直
りません。5~6分も水音を聞いた後、彼らの部屋のドアを叩
き、「水が出たままよ」と伝えました。
 すると娘が金切り声をあげて出て来ました。
「しばらくしたら停まるわよ、それでいいんじゃないの?」「
よくないっ!」
 すると彼女は何か早口でまくしたてます。幸い、こうなると
何を言ってるのかわからないので、こっちも「恥ずかしくない
の、マナーを守りなさい!」など日本語で応酬。口げんかでは
中国人に負けん。
 すると、母親が珍しく「まあまあ」と止めに入りました。い
つもは真っ先に、ぎゃあっと大声で抗弁するのに?
 おかしい。
 理由は翌日わかりました。それは…また次に。
(2008.11.10)

この記事を書いた人

hiromachi