千曲川畔の焼却炉、「大幅遅れ」(長野県)

 長野県のごみ問題の情報がもうひとつ入っています。・・・ここの住民も「公害阻止」でがんばっている。

 

千曲の焼却施設「大幅遅れ」 長野広域連合長が見通し

2017210http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170210/KT170209ATI090023000.php

長野広域連合が計画する新ごみ焼却施設の建設候補地=昨年12月、千曲市屋代中島

 長野広域連合長の加藤久雄長野市長は9日の広域連合議会で、千曲市屋代中島を建設候補地とする新ごみ焼却施設について、目標の2018年度中の稼働は「大幅に遅れることが避けられない」との見通しを示した。一部の地元区から建設に同意を得られない状況が続いているとした。新施設は1日100トンを焼却可能な施設規模で、千曲市と埴科郡坂城町から出るごみと、長野市から出るごみの一部を処理する計画。長野市大豆島松岡で広域連合が建設中の別の新焼却施設(施設規模1日405トン)と同じ18年度中の稼働を目指していた。広域連合によると、千曲市の地元の屋代第5区は昨年3月、建設受け入れに基本同意。もう一つの地元の屋代第6区は条件付きで同意する意向で、焼却方式などについて協議を続けているという。加藤連合長は、長野市の新焼却施設では工事が計画通り進んでおり、19年3月の稼働を目指すとした。一方、須坂市仁礼町に計画中の一般廃棄物最終処分場については、稼働開始時期が目標の18年度から最大1年半ほど遅れる可能性があると明らかにした。敷地面積約10.2ヘクタールのうち約7.4ヘクタール分は地権者から取得できる見通しが付いたが、残りは交渉中という。広域連合議会は9日、長野市の新施設工事費を含め165億8千万円余の17年度ごみ処理施設事業特別会計予算案など広域連合側提出の8議案を原案通り可決・同意した。 (210日)

 

 この予定地は両方とも視察したことがあるので、覚えています。新焼却炉は千曲川のほとり、処分場は(変わっていなければ)美しい谷の奥の急峻な傾斜地。前記事にもあった通り、いったん処分場が作られると、そこから排出される有害物質は半永久的に周辺の大気と水、土壌を汚染し続けます。でもそれを隠して、「どこかに必要」だからと、権威と「カネ」で黙らせるのが長野県(広域連合)のやり方。実は、「どこかに必要」なのは、メーカーとゼネコンなのですが。でも、焼却処理の害は広く知られており、多くの国々、都市で、住民たちが、ごみ処理の権限を奪い返し、「汚さないごみ処理」「燃やさないごみ処理」に向けて行動を始めていることを知って欲しい。そのためには、区や自治会・町内会単位で汚染計画への反対を表明するところから始めないと。

 記事を書いているうちに、現焼却炉(これも千曲川のほとり)を訪れた時のことを思い出しました。施設の駐車場で、車からほとんど数分もたたないうちに、喉痛と頭痛が始まったのです。その日だけ特別に何らかの物質が出ていたのか、日常的なものなのかは知りませんが、改めて焼却排ガスの恐ろしさを感じました(チェックされるのは大気汚染防止法の対象物質だけ)。・・・こういうことをブログに書いたと思ったのですが、見当たらず。改めて書いておきます。2017.2.11

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/