佐那河内村、「広域協議」不参加決定

 何回も触れている徳島県佐那河内村の「広域ごみ処理問題」。この問題で村長選が行われ、「反対派」村長が誕生しましたが、彼はなんと再び「広域復帰」の姿勢を見せ、話はふりだしに・・・でも、最終的には理性が勝ちました!

 

ごみ処理施設協議不参加 佐那河内村長が正式表明

2016/9/9 14:19 http://www.topics.or.jp/localNews/news/2016/09/2016_14733984086218.html

 佐那河内村の岩城福治村長は、9日に開会した村議会9月定例会で、徳島市と周辺5市町がごみ処理施設の広域整備に向けて進めている協議について、村は参加を申し入れないことを正式表明した。
 村長は、本会議冒頭の議案の提案理由説明の中で、協議には参加しない判断に至ったことを報告した。理由として以前候補地となった東地地区での建設は住民感情からあり得ない村から提案できる建設候補地はない村に候補地がない状況で協議に参加した場合、6市町との関係が悪化しかねない広域ごみ処理施設は村にとって費用対効果が低い村のごみ処理は分別・減量化により現状でも当面問題ない-といった趣旨を示した。広域ごみ処理施設の問題を巡って村が二分された状況にも触れ、「いつまでもごみ問題で足踏みしていてはいけない」とし、人口減が進む村の活性化に向け「一日も早く全村民が同じ方向に向かえる村づくりを進めたい」と決意を語った。村長は、先の村議会6月定例会で「広域整備のメリットを見極めたい」と協議への参加に前向きな意向を表明し、7、8月には住民の意見を聞く行政座談会を開いた。座談会では反対や慎重な対応を求める声が上がり、庁内での協議も踏まえて結論を出した

 

 村長に「広域のメリットはない」と認めさせたのは、村民の故郷を思う気持ち、そして不条理と戦う強い意思でしょう。佐那河内の住民は、これで四たび(反対陳情、議会意見書、村長選勝利、そして今回の広域行政不参加)自分たちの意思を通していますが、これは簡単なことではありません。普通は、飛び交うウラ金・説得工作・嫌がらせ作戦に負けて、泣く泣く妥協案を飲まされてしまう。

 今後、岩城村長の下ではもう同種の計画は出てこないでしょう。でも「推進派(=公害企業)」は常に次のチャンスを探っているものだし、彼らは宣伝機関(=メディア)を抑えているので、要注意。今のうちにふるさとを守る対策をとっておく必要があります。たとえば住民主導で園瀬川の水質を守るための「清流条例」を作れば、将来、公害企業が忍び込む余地はほとんどなくなるでしょう。

 

 それから「人口減」を心配するなら、本気で原発避難民の受け入れ策を考えればいい。関東の汚染はすさまじいので(これについては別ブログ東京の放射能汚染(ホワイトフードのサイトから)  を見てね)、潜在的移住希望者は福島だけでなく、関東全域にいるはずだからです。ついでに、佐那河内の農業や林業を、極力、農薬を排した有機農林業に変え、その販路を確保するなどの「職」も提案すれば、特に子どもを抱えた働き盛りの年代には魅力でしょう。

 ごみの広域処理を拒否することは、「ひも付き補助金による国の支配」から脱し、住民と共に自立した自治体経営を実践するための、いい突破口なのです。2016.9.10

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/