人質誤射?公開処刑?-知られざる10月7日の真実(イスラエル)

人質の一人は白旗を掲げていたといいますが、それでも平気で射殺してしまう。イスラエル人にとって「パレスチナ人」は動物、あるは動物以下なのです。小さい頃からそう教え込まれているから、それが異常だとは思わない。

イスラエル軍、ガザ作戦で人質3人を誤って殺害 「脅威と誤認し … 2023年12月16日BBCイスラエル国防軍(IDF)は15日、パレスチナ自治区ガザ地区での作戦で、イスラム組織ハマスに連れ去られたイスラエル人の人質3人を誤って殺害したと発表した。 兵士が3人を「脅威」と誤認したという。死亡したのはヨタム・ハイム氏(28)、サメル・タラルカ氏(22)、アロン・シャムリズ氏(26)の男性3人。IDFは、ガザ地区北部シェジャイヤで活動する部隊によって3人が射殺されたと説明し、「悲劇的な出来事について深い悲しみと、遺族への心からの哀悼を表明する」と述べた。…3人の遺体は、イスラエル領内へ移された後に行われた検視で身元が判明したという。

イスラエルという国は、戦争を拡大するためなら侵略でも虐殺でも何でもやります。もちろんその責任はとらなければならない。そして、そんな政権の暴走を止めることができない国民も、その責めを負うことになる。…そんなイスラエルの行動ほど、過去の日本軍の暴走―アジア全体を戦火に巻き込み、何千人もの死者を出し、「原爆投下」で米軍の軍門に下った―を思い起こさせるものはありません。イスラエル人入植者によるパレスチナ人に対する暴力は、満州に送り込まれた日本人入植者による中国人への暴力と同じだった。当時の日本人にとって、中国人は侮蔑と虐殺の対象であり、子どもを痛めつけても、(国際法違反の)生体解剖を行っても、村の唯一の取水源の井戸を汚染したり、ペスト菌で汚染したネズミを放っても、心の痛みも反省も感じなかった。そんな心理の中で、中国各地の虐殺事件がくり返されたのです・・・南京事件だけじゃない!

そんな日本軍の横暴に対し、中国人が少しでも反抗的な態度を見せたり、武力抵抗したりすると、日本軍は過激な報復をしたのです。首謀者の家族を皆殺しにしたり、一村すべてを焼き払ったり・・・日本では伝えられず、歴史研究もあまりなされていないため、当時も今も日本人は中国で何が起きていたのか知らない。自分の国のリーダーが犯罪者だということも知らない。それどころか、戦争中に侵略先でインフラを整備してあげたなどと誇る人々もいます・・・知らぬがホトケ、そしてタワケ。イスラエルもガザを平地にした後、インフラ整備するでしょう。

そして、イスラエルのガザ虐殺のきっかけとなった10月7日について、国際社会はまだ知らん顔をしていますが、これに関し、10月末、当のイスラエル人から公開書簡(https://mondoweiss.net/2023/10/an-open-letter-to-israelis-from-israelis-we-deserve-the-truth-about-october-7/)が出されていました。以下、そのポイント訳。

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公開書簡:イスラエル人からイスラエル人へ、「私たちは10月7日の真実を知る権利がある」 誰がイスラエル民間人を殺害したのかという問題が私たちを悩ませています。いくつかの報告から、イスラエル軍によって殺害された人もいることが判明した.イスラエル人として、私たちは10月7日の出来事に対する正式な委員会を求める。ガザではイスラエルの犠牲者の名の下に大量虐殺が行われているが、誰が殺されたのか、どのように殺されたのか、そして誰が彼らを殺害したのかはわかっていない。私たちは答えを求めており、あなたもそうすべきだ。

私たちの同胞であるイスラエルの皆さん、

私たちは虐殺の霧の中からみなさんに呼びかけます。私たちは自分自身のことだけでなく、みなさんのほとんどが無視し、「動物」とみなしている人々について、悲しみ、心配しています。イスラエル軍当局者がイスラエルの英語圏メディアを通じて「首を切られた赤ん坊」の噂を広め始めたとき、私たちは衝撃を受けました。政府のプロパガンダが、それまでのガザへの殺人的攻撃のときと同じではないことに気づいたからです。

イスラエルはガザ強制収容所にある「ハマスの建物」という画像を大量に作り続け、爆撃を実行していますが、その国内的、国際的レトリックは、ナチスの殲滅プロパガンダにはるかに似ています。私たちはこのプロパガンダの目的を知っています。すでに8,500人以上の先住民パレスチナ人の子供、女性、男性が絶滅され、今も増え続けています。多くが家の瓦礫の下敷きになり、ゆっくりと死んでいる。飢えと渇きに苦しむ人、感染症に直面している人もいる。一方で、イスラエル高官らや大統領は、「ガザには罪のない民間人はいないno innocent civilians」と叫び続けています。

誤解しないで欲しい。イスラエルが現在ガザで行っていることは、今後何十年もイスラエル人を悩ませることになるでしょう。今こそ、みながこのことを理解すべき時です。そして、この理解は、2023年10月7日の出来事の完全な情報公開から始めるべきです。各イスラエル人が今すぐに行うべきいくつかの要求は以下の通りです。

 まず、特定されたイスラエル人犠牲者全員のリストを公開すること。政府の公式ウェブサイトには包括的なリストはない。ハアレツが公開したリストは部分的だ。一部の名前は「公開許可待ち」となっているが、その意味は不明だ。3週間経っても包括的なリストがないのなら、次に、イスラエル国民として公式調査委員会の設置を求めなければならない。諜報部隊や戦闘部隊側の大規模な失敗と、過去数十年間にガザを野外刑務所に変えようとしたイスラエルの主張と同様、明らかにされるべきだ。私たちは、これらの失敗が10月7日とその後数日間の民間人の死亡にどのような影響を与えたのか知りたいと考えている。さらに、ハマス側は、イスラエルによるガザの絨毯爆撃の結果、すでに50人のイスラエル人捕虜が殺害されたという。イスラエル人捕虜が地区全体に分散していることはわかっていたが、政府は彼らの正確な位置を把握しておらず、イスラエル国民は、捕虜の命を脅かす無差別爆撃を支持すべきかどうか自問すべきだ。ハマスは当初から、捕虜の交換取引を提案していたが、イスラエルの盲目的な虐殺的復讐は、イスラエル人捕虜を無視している。

 我が国の軍がガザで人類を絶滅させている一方、イスラエルのプロパガンダの活動は過剰だ。名前のない黒焦げの死体が広く公開され、それがパレスチナ人を撲滅せよという非人間的な呼びかけにつながっている。主に西側住民に向けられたこれらの画像を見ると、私たちはこれらの犠牲者が誰であり、彼らがどのように亡くなったのかについて正確な情報を得る権利があることを改めて認識します。独立した調査なしでは、散発的な記事や生存者の証言をつなぎ合わせるしかない。陰謀論が蔓延するだろう。・・・最後に、誰がイスラエル民間人を殺したのかという問題が私たちを悩ませている。いくるかの報告から、イスラエル軍によって殺された人もいたことが判明した。彼らが交戦中に亡くなったのか、ハマスの戦闘員を排除するため、あるいはハマスによって捕虜とされることを防ぐめに戦車やヘリコプターで故意に射撃されたのか、私たちは答を得る権利がある。私たちは答えを求めている。なぜなら、遺族がこの復讐に満ちた残虐行為に強く反対しているにもかかわらず、イスラエルは、犠牲者の名の下にガザで大量虐殺を行っていからだ。私たちは答えを求める。あなたもそうすべきだ。

10月7日の、ハマスのいわゆる「奇襲攻撃」後、間髪を入れず1200人超が死亡したと報道されましたが、死者のリストがない以上(照合できないので)、この数字が事実かどうかわかりません。それどころか、IDF関係者から、自国民の殺害指示が出ていたとか、その現場を目撃したなどの内部情報もあり、10月7日「ニセ旗」の証言はそろっています。極めつけが、11月30日付けのニューヨーク・ポスト紙の報道。

イスラエルは10月7日ハマス攻撃を一年以上前に知っていた・・・しかし「想像だ」として無視したhttps://nypost.com/2023/11/30/news/israel-had-hamas-attack-plans-for-year-before-bloodbath-report/ イスラエル当局者らは、イスラエル国内で約1200人が死亡し、240人が誘拐されたテロ攻撃の一年も前に、詳細なハマスの戦闘計画を入手していた。イスラエルが「エリコの壁」と名付けたこの40ページの計画書には、イスラエル兵をバンカーに押し込むためのロケット弾の集中砲火や監視カメラを破壊するためのドローンなど、10月7日侵攻で使われた戦術や、ハマス戦闘員が殺到したガザとイスラエル間の「壁」60箇所の詳細も記されていた。イスラエル軍と諜報部局はこの文書を広く共有したが、ハマスの遂行能力を疑い、却下したという。イスラエルの通信諜報機関8200部隊のベテラン分析官は、今年7月、テロ組織がイスラエル航空機の撃墜、軍事訓練基地の占拠、士官候補生の殺害など、「ジェリコの壁の内容」を反映した訓練を実施していると警告した。それでも、国境警備の任務を負うガザ地区の大佐は、これを「完全に想像上のシナリオ」として、この警告をはねつけた・・・

 どうでしょう。「ハマスの攻撃の危険性」はエジプトからも発せられていて、攻撃が行われる蓋然性は大きかったにもかかわらず、戦争を始めたくてたまらないイスラエルは、これを否定するしかなかったのですね。しかも、「エリコの壁」文書には、イスラエル軍の位置や規模など、高度な攻撃が詳細に記されていたとあり、まるで攻撃を誘っているかのような内容。・・・そのあたりの情報も、むしろ戦争を始めたいイスラエルが流したのかもしれません。(写真はイスラエルの爆撃で破壊された家を訪れるパレスチナ人。ガザ市郊外アル・ザフラ。AP上記記事から)

 問題は、ニューヨークポスト紙のこの報道を、主要メディアはほとんど無視したらしいことです。つまり、メディアを含めた西側グローバリスト陣営はイスラエル攻撃の深刻化と、パレスチナの「消滅」を狙っているため、事実にも真実にも目を向けないということです。・・・でも、それでうまくゆくはずはない。中東情勢は、イラン、ヨルダンなどの反イスラエル勢力がパレスチナ擁護に立ち上がっており(そうしないと自分たちもやられる)、急速に変化しつつあります。窮鼠猫を嚙むの例え通り、状況は今後、何回も変わるでしょう。今、言えることは―飛躍しますが―、とにかくアメリカと手を切れということ。2023.12.23

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/