神奈川県が、県内のワクチン副反応の被害を訴えた人のデータを発表しています。
その、「神奈川県内予防接種副反応報告・保護者報告件数一覧(平成25年4月1日以降収受分 平成26年3月31日現在 [PDFファイル/7KB]によると:
①副反応報告は、平成25年度61件、平成24年度以前26件、計87件。
②保護者報告は、平成25年4件、平成24年度以前29件、計33件。
①の副反応報告とは、「医師等が定期の予防接種等を受けたことによるものと疑われる症状を診断した場合に、厚生労働省へ報告するもの」で、厚労省⇒都道府県⇒市町村へとデータが流れます。
②の保護者報告とは「市町村が接種者又は保護者から定期の予防接種後に発生した健康被害に関し相談を受けた場合に、都道府県を通じて厚生労働省へ報告するもの」、これも国⇒都道府県への情報提供。
奇妙なことに、ワクチン接種事業を「市町村の自治事務」としながら、その事業と不可分の関係にある「副反応報告」は市町村を飛び越して、国(=企業)に報告がいくシステムなのです。もちろん、官僚にはこのデータを判断する能力はないから、報告は製薬業界に直行するはず。したがって、市民にとっては、①このデータが果たして事実を反映しているのかどうか、②副反応報告と保護者報告の関係がどうなっているのか、③副反応の発生についての詳細な資料が存在するのかどうか、まったくわかりません。予防接種法の改悪でこうなったわけですが、これはいろいろと深刻な問題を孕んでいます。
市町村の事務といいながら、市町村に「副反応の実態」を把握させないシステムは、根本から間違っており、市民の利益に反するので、変える必要があると思います。2014.5.12