一関・狐禅寺のごみ焼却炉計画、断念

一週間の北海道の旅から戻りました。

ワクチンと風発の問題についての講演、銭函海岸の現地視察、そして最北の地の風発の現場…いろいろ驚くことばかりで、やはり現地に行かないと見えてこないこともあると実感した旅でした。

そして今朝は、廃棄物関係でとてもうれしいニュースが入っていました。

 

一関市 狐禅寺の廃棄物処理場建設 計画断念/岩手

毎日新聞2018623 https://mainichi.jp/articles/20180623/ddl/k03/010/142000c

 一関市狐禅寺地区の一般廃棄物焼却処理場建設計画について、一関地区広域行政組合管理者の勝部修・一関市長は22日の6月定例市議会本会議の行政報告で、計画を断念する方針を示した。勝部市長は「これ以上協議の進展が見込めないと判断した」と説明。今後の対応については「新しい候補地は、第三者機関に早急に選定手法の確立をお願いする」と述べた。現在稼働する同地区の一関清掃センターの老朽化などに伴い、市は2014年、同地区で後継施設の整備を進める計画を提案した。だが00年に同地区の住民団体と市が「狐禅寺にごみ焼却施設を建設しない」との覚書を交わしていたことなどから、地元住民の一部が反対。市は地元住民らで組織された狐禅寺地区生活環境対策協議会との協議を5回にわたり行ったが、前会長が協議会から提訴されるなど協議再開の見通しが立たない状況が続いていた。【三瓶杜萌】

 

 狐禅寺地域では、反対する住民の意思がとても固く、徹底抗戦する気構えでいたことが印象的でした。

 公害事業は、必ず「権力」と「住民だまし」と共に押し付けられるものです。それを止めるのに最も必要なのは、その地域にねざした人々を中心にした「絶対いやだ」という思いです。また、運動のリーダーは、計画の水面下に見え隠れしている構造を見抜き、それへ「抵抗」しなければなりませんが、現地ではその抵抗がうまくいったのでしょう。この運動にほんの少しかかわった者としてもとてもうれしい。

 しかし、計画断念は、別の「もっと弱い地域」への着工を意味しており、手放しで喜ぶわけにもいきません。人口が少ない農村地域とくれば、必ずしも焼却炉は必要ありません。これをきっかけに広域組合参加自治体が、それぞれ「焼却処理代替案」を取り入れてほしいものです。2018.6.24

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/