プーチン、ウクライナ関係の衝撃的事実を曝露

 プーチン大統領が、これまで全く語られてこなかった、ウクライナとの平和協定について曝露したという衝撃的なニュースが入っています。これは、ロシアとウクライナ間で2022年3月22日、つまり、ロシア軍による「ウクライナ侵攻(ロシアはSMO「特別軍事進攻」と表現)の一か月後に結ばれた平和協定で、ウクライナ側もこれにサインし、うまくすれば、侵攻から1か月で、戦争は終結していたはずです。でも、そうはならなかった。以下は6月19日付けのAndrew Korybkoの記事から簡訳。

プーチン大統領、失効した2022年3月のウクライナとの平和条約草案の詳細を明らかに By Andrew Korybko Global Research2023 年 6 月 19 日    

プーチン大統領は6月17日、今は失効したロシアとウクライナの条約案の詳細を明らかにし、アフリカ平和代表団の来賓を驚かせた。同条約は、同国の憲法に再び中立を明記し、兵器の数を制限するもので、ウクライナ側も署名していたが、ロシアが合意通りキエフから軍を撤退させた後、英米枢軸(AAA)の圧力に応じ破棄されたと言う。 この特別作戦は、開始1ヶ月で終了していた可能性がある。NATOが当時、ウクライナを全面的に支援していなかったことを思えば、この展開はNATOとロシアの代理戦争の始まりだったことになる。つまり、AAAはプーチン大統領が先制攻撃によってキエフのドンバス再征服を回避したことに驚いたが、結局はこの紛争を永続させることによってライバルを弱体化できると考えたのだ。

 西側は代理戦争と経済制裁の圧力によって、ロシアはすぐに崩壊するだろうと計算していたようだが、そうはならなかった。以後15ヶ月、西側諸国が対象国の金融取引を一方的に制限した結果、発展途上国を襲った食糧危機と燃料危機が示すように、ロシアよりもグローバル・サウスに大きな打撃を与える結果となったのだ。いわゆる「穀物協定」も、キエフが途上国への物資輸送を禁じたため、アフリカ諸国の苦しみは和らげられなかった。これらの窮状を背景に、(アフリカの)リーダーらは紛争当事者2カ国の和平に乗り出し、両国からの穀物輸入を回復するために、停戦や制裁の一部解​​除などの緊張緩和策に合意するよう双方を説得しようとしたという。

 ロシアはアフリカを、多極化への移行の軸と捉えており、アフリカとの包括的関係を拡大することは重要なことだった。そこでプーチン大統領は、アフリカのカウンターパートが西側のプロパガンダに誤導されて、ロシアのせいで食糧危機が起きたと信じ込まされないようにする必要があった。特に、「穀物取引」はその条件が満たされないため、更新される可能性は低いことから、再び情報戦が起こることが予想される。そこでプーチン大統領は、「絶好の時期」を選んで、穀物輸入を妨害しているのはキエフ政権とその後援者であるAAAだということを示したのだ。また、NATO支援によるキエフの「悲惨な反攻作戦」の実態を補足し、英米NATOがロシア・ウクライナ和平プロセスに介入さえしなければ、この大惨事は完全に回避できたことを平均的な西洋人に示したのだ。・・・

 この協定は「ウクライナの永世中立性および安全保障に関する条約」(トルコ政府の仲介で交渉)と題され、キエフ政権の交渉チームが草案を作成し、署名したものでした。英米仏中四カ国の保証つき。そしてロシアは「ウクライナ占領が目的ではない」ことを示すため、約束通りロシア軍を撤退させたのです。しかし、キエフ側は、最初から裏切るつもりだったようで、ロシア軍がウクライナ北部から撤退した直後、この協定を破棄したのです。

 日本ではウクライナ侵攻は「国土拡大を求めるための侵略」と見なされ、プーチンは極悪非道な悪人とされていますが、そこには、それまでもNATOの東方移動に関し、何度も西側に騙されながら、なんとか平和的解決を見出そうとしてきたロシアをSMOに踏み切らせたのは何かという視点は完全に欠けています。また、オナチの完全支配下にあるキエフ政権には、平和を求めるつもりなど全くないこと、東部のロシア人を無差別殺戮していること(それをロシアのせいにしている)、ダムやガスパイプラインの破壊など、国際法上の違法行為を行っていること、無尽蔵の「軍事援助」によって腐敗(武器取引、臓器売買、傭兵産業)が進行しているなどの実態も見ぬふり、というか、これもロシアのせいにしている。

 もともと戦争報道には「戦争プロパガンダ」がつきものですが、ウクライナ戦のプロパガンダはあまりにも一方的。日本人は、毎日垂れ流される「ウクライナの戦勝報道」に完全に麻痺していて何も考えられないかもしれません。知らない、知りたくない、考えない人々が多いと、簡単に戦争は起こせます。2023.6.21

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/