昨日の今日という感じですが、案の定、環境省はプラごみを「焼やして処理」するようです。それしか頭にない。
プラごみ処理施設の支援強化へ 環境省、補助金で後押し
2018年10月18日 18時37分 http://www.chunichi.co.jp/s/article/2018101801001606.html
環境省は、中国のプラスチックごみ輸入禁止により処理業者のごみ保管量が増加していることを受け、処理施設の新増設支援を強化する。2019年度予算で、業者への補助金を前年度当初比3倍の45億円に増やす方針だ。18日発表した影響調査でも、25・5%の自治体が、業者によるプラごみ処理施設新設の動きがあると回答。11・3%で業者が施設の処理能力増強を図っているとした。調査には102自治体が答えた。日本は、年間約150万トンを輸出、処理を海外に任せている。昨年まで、うち半分程度を中国が受け入れていたという。(共同)
アジアの国々は、「環境汚染、健康被害」を恐れてプラごみを拒否しているというのに、日本では「燃やせ」なのは、市民の反応がないからでしょうね。でも、プラごみは、埋め立てれば土壌汚染を、水に流せば水質汚染を(特にマイクロプラスチック)、そして燃やせば大気汚染をもたらし、人間にも動物にも深刻な影響をもたらすのはわかりきっていること。各国では、市民を巻き込んで大気汚染をなくす取り組みが実施されていますが、日本は、ね~(自虐的になるので、もう書くのもうんざりです)。
プラスチックの生産量は毎年1000万トン以上(2016樹脂生産量、https://pwmi.or.jp/pdf/panf2.pdf)。廃プラの総排出量は約900万トン、その三分の二の約600万tが焼却されています(出典:同上、サーマルリサイクル517万t、単純焼却80万t)。サーマルリサイクルとは「熱利用」すればリサイクルという解釈で、これによってプラごみ焼却に伴う罪悪感やリスクなど存在しないことにしてしまったのです。その結果、国民の3分の1が何らかのアレルギーを持っているという恐ろしい事態になっていますが、その原因を追究する動きもほとんどない。
これほど焼却処理に何の抵抗もない国だから、今回、行き場のなくなったプラごみ150万トンも、必ず焼却処理されるでしょう。各自治体はプラごみ焼却にもっと危機感を持ち、市民を教育しないと、状況はもっと悪化するはずです。
いずれにしても、アジア各国に処理を押し付けていたプラごみ150万トンは決して少ない割合ではありません。押し付けられた方は学習するけれど、押し付けた方は何の教訓も得ない・・・あ、これって日本の侵略戦争の構図と同じですね。そういえば、私、以前は「アジアへのごみ侵略、焼却炉侵略」というテーマで文章を書いたり、講演したりしていましたっけ。でも、日本でごみ問題をやっている人はほとんど国際問題に興味がなく、国際性のなさにほんとにがっかりしたものです。2018.10.19