(前回の続き。専門家ならではの、深い怒りと絶望が伝わってきます・・・)
チェルノブイリでは2万人以上が甲状腺がんになりました。彼らは甲状腺を切除したのですが、毎日、甲状腺(ホルモン)を摂らないと死んでしまうのです。ちょうど、糖尿病患者が毎日インシュリンを打たなければいけないのと同じように。
ストロンチウム90も出てくるでしょう。これは600年残ります。この物質は骨に蓄積して骨ガンや白血病をおこします。
セシウムも600年なくなりません。これはいまだにヨーロッパ全土に残っています。特にトルコの食品は放射能が高い。トルコのドライ・アプリコットやヘーゼルナッツを買ってはいけません。トルコとロシアは結びつきが強く、チェルノブイリ以後も、トルコは汚染された茶をロシアに輸出しています。ヨーロッパの40パーセントが今なお放射能に汚染されています。イギリスの農場の子羊はセシウム濃度が非常に高いため、売れないのです。ヨーロッパの食品は食べないように。
でも、今、起きていることに比べれば、なんでもありません。
もっとも恐ろしいのがプルトニウムです。これは地底の神であるプルートにちなんで名づけられた物質で、1グラムの百万分の一を吸い込むとガンになります。理論的には、プルトニウム1ポンド(約453グラム)を世界中に均等にばらまけば、地上すべての人がガンになります。原子炉にはそれぞれ250キロのプルトニウムがありますが、原子爆弾を作るにはそれが2.5キロあればいいのです。プルトニウムは核爆弾の材料ですから。
原発を保有している国はどこでもウラニウムを扱っています。カナダは世界最大のウラニウム輸出国です。カナダは二つのものを輸出しているのですね。生きるための小麦と、死にいたるウラニウムを。(フクシマ原発から)プルトニウムが出るだろうし、それは北半球すべてに広がるでしょう。もうアメリカにも向かっているはずです。
放射性ヨウ素、それにストロンチウム、セシウム、トリチウム・・・きりがありません。雨が降るとそれらは地上に落ち、食物の中に蓄積してゆきます。海に入ると、海草の中に何百倍に濃縮されます。次に、それを食べた甲殻類(エビやカニなど)に取り込まれてさらに何百倍も濃縮が進み、それから小魚、大型魚、そして人間への蓄積が始まります。私たち人間は食物連鎖の頂点に立っているからです。
これらの放射能は味わうことも、見ることも、嗅ぐこともできません。彼らは沈黙しているのです。体内に取り込んでも、すぐにガンで倒れるわけではなく、5年から60年かけて発症するのです。胸のしこりに気づいた時、ガンは「私ができたのは、あなたが20年前に食べた魚に入っていたストロンチウム90のせいだ」などと言ってはくれません。
放射性物質はすべて有害です。それは蓄積性があり、どんな被曝も発ガンのリスクを高めます。アメリシウムはプルトニウムよりさらに危険で・・・・・・こんな話ならいくらでも続けられます。
雨が降った時、濡れるかどうかによりますが、雨がふると放射性物質は地上に落ちるので、作物を育てないように。そういう(汚染された)食べ物も食べないように。それも600年の間。
(カナダの)オンタリオ湖畔に、原発から出た放射性廃棄物を埋め立て処理しようとしているそうですね。でも、それは必ず漏洩するし、(汚染も)何百万年も続くのです。放射性物質は水に溶け込み、食物連鎖に入ります。放射性廃棄物は以後、ガンや白血病、遺伝子関連の病気をずっ都誘発し続けることでしょう。これ(フクシマ)は、世界がこれっまで目撃したことがないような、最悪の公衆衛生の危険なのです・・・核戦争の脅威とは違いますが。
アインシュタインはこう言いました。「原子の放出はあらゆるものを変えてしまった。人間の思考を除いて」・・・とても含蓄のある言葉です・・・「それで、われわれは、未曾有の災害に向かって漂うことになったのだ」。私たちは傲慢です。不遜すぎるのです。私はある人々の脳の中は病的ではないかと思っています。
私たちは太陽のエネルギーを抑えなければならないという状況に置かれているのです。でも、それはまったくコントロール不可能で、私たちにできることは何もないのです。