タミフルは効かない②

 「タミフルは効かない」の続き。
 2006年、WHOやCDCが「新型インフルエンザ」が爆発的に流行する(パンデミック)と予言、これが世界的に市民の危機感をあおり、特効薬として売り出されたタミフルは、一時、品不足になるほどでした。
 この時、多くの研究論文を分析し、タミフルの有効性を発表したのが、独立調査機関、コクラン共同計画The Cochrane Collaboration Steering Group & Subgroupsトム・ジェファーソン博士でした。その時点で、論文が「でっちあげ」だなんて考えてもいなかった博士は、その後、別の医師に、それらの研究書の10本のうち8本はまだ出版もされていないと指摘され、疑念を持つようになります。
 それで、彼は生データを集めることにしたのですが、驚いたことに、研究論文の著者たちは次から次に言い訳を出し、データを提供しようとしなかったのです。生データが入手できないどころか、実はこれらの論文を書いたのが広告会社の社員二人だったことが明らかになり、博士の疑念は怒りに変わりました。広告会社のゴーストライターは、金をもらい、タミフルの効果は本物だと結論づけろ、という明確な指示のもとに論文を書いたことを認めたのです。その結果、

 「ようやく生データを入手し(依然として全部ではない)、再分析したところ、タミフルがインフルの重篤な症状ー肺炎や死などーを減じることを証明するものはなかった」
 「結局のところ、製薬会社が健康問題で大衆をだまし続けてきたのだ.

 海外の「独立系」研究者はここまで言い切れる。「独立系学者」の存在が許されない日本では、ここまで言える医師はなかなかいないのでは。それにしても、「インフルは怖い、でも、タミフルがある」なんて、もろ広告代理店の売り込みですね…
 さらに強烈な医薬産業批判を展開しているのは、医薬研究所 Institute of Medicine 。その2007年の記事The Problem With Medicine: We Don’t Know If Most of It Worksにはこういうくだりがあります。

 「手術や投薬、検査において医師が適正に判断し、有効な治療を実施している例は半数にも満たない。残りは、推測と理論、習慣、そして製薬会社や装置産業界の強烈なマーケティングによる投薬に頼っている」
 「新しい器具をインプラントしたり、手術を行ったり、処方箋を書く時、医師は、患者と同じように何もわかっていない」
 「広く行われている手術、器具、試験や薬剤も、驚くほど少数のデータにしか準拠していない。2001年のAgency for Healthcare Research and Quality report published in 2001によれば、毎年77万人以上のアメリカ人が薬の副作用で傷害を受けているか死亡している。予測されていなかった副作用も含まれるが、これらはきちんとリサーチすれば避けられたものだ」

 77万人以上が薬剤の副作用? これはまるで「病院には行くな」「医師も薬も信じるな」と言ってるのと同じでは? Dr.Mercolaも、「タミフルも同じだ。でっちあげするより、適切な研究行っていたら、多くの金を無駄にすることもなく、より有効なものに配分でき、命も助かったのに・・・」と述べていますが、ここは私の考えとちょっと違う。

 今はグローバル化の時代です。グローバリゼーション、別名ニュー・ワールド・オーダー(NWO=新世界秩序の時代、怖いよ)、NWO機関である国連やCDCが、住民の危機感をあおって特定の「新製品」をPRする時(しかも有効性も安全性の証明もないことを知りつつ)、そこには何かしらの魂胆があるわけで、うっかりミスなんかじゃない。国連や政府が進めるものは、基本的には避けるべし、なのです。

 なお、ジェファーソン博士のタミフルの効き目についての最新コメントは:
ノイラミニダーゼ阻害薬(タミフルのこと)は、研究室でインフルエンザ暴露後の使用は有効性が認められたが、これはインフルエンザ類似疾患のごく一部に過ぎず、従って、この結果、タミフルは有効ではない。ノイラミニダーゼ阻害薬は、季節的インフルエンザの症状を軽減するためのオプションとみなされるべきだろう。信頼できるデータが欠けているため、オセルタミビル(タミフル)がインフルエンザの合併症を予防するという以前の調査結果は、信頼できない。これらの不確実性を解決するには独立したランダム試験必要だ」

 つまり、タミフルは効かない、ってことです。第一、ほんとに効くのなら生データだってとっとと出していたはずだしね。ただ「効かない」だけじゃなく、タミフルは「危ない」ってことも、次の記事で紹介します。

(参考)
http://articles.mercola.com/sites/articles/archive/2012/02/07/recommended-tamiflu-has-flawed-results.aspx
Jefferson’s update was published in December 2009
http://www.youtube.com/watch?v=YqcscmSveAw(Tamiful Deception)

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/