スペインでHPVワクチン刑事訴訟

  日本のHPVワクチン被害者の運動は、メルク社、グラクソスミスクライン社(GSK社)などメーカー提訴の動きは考えていないようですが、海外では訴訟がたくさん起きています。それも、賠償を求めた民事訴訟ではなく、刑事罰を求めた刑事訴訟が。
 その隊列に、スペインのHPVワクチン被害者が加わりました。被告はメルク(米)とサノフイ・パスツール研究所、そしてスペインの国立健康部局(厚労省相当?)、および、ラ・リオハ州(ワクチンを勧めた地方自治体でしょう)。つまり、メーカーと行政組織を相手にしたわけで、接種した医師は省かれているもよう。定訳が不明なので、一応原文をつけておきます。
Attorney Don Manuel Saez Ochoa filed a criminal complaint against
Merck-Sanofi Pasteur Laboratories, Spanish National Health authorities,
and the regional health authorities of the La Rioja province on behalf
of Zuriñe Jimenez Guereño and her mother Doña Maria del Carmen Jimenez
Guereño for injuries and disabilities suffered by Zuriñe after the
administration of Gardasil. (Story by Norma Erickson, republished from
SaneVac.org)

 私もこの件をちょっと検索しましたが、すぐに、HPVワクチンメーカーがまともな治験も行わず、データを隠蔽・操作し、カネを使って関係者を黙らせ、しかも副作用の発生を予期していたなどの情報を入手できました。モンサントにまさる悪質さ、そこが医薬品を製造しているという恐ろしさ…
今回、訴状はまだ見ていませんが、ニュースには訴えの内容がこう、紹介されています:
「メルク社らはプラセボを使った治験を行わず、そのため、得られたデータを操作して、ガーダシルを安全として売り込んだ。国と地方の健康当局は、ガーダシル接種後、若い女性が異変を訴えたにもかかわらず、それを無視し、当然行うべき治験データの正確性を調査することもしなかった。それどころか、当局もガーダシルが有害事象をもたらすことを適正に把握しながら、リスクがあることを一切告げず、このワクチンを接種したのであり、これは、スペインの女性たちの健康と福祉を完全に無視した行為である・・・」

 HPVワクチン導入後に起きたのは、どうも日本とまったく同じだったようで、異変を訴えた女性たちは、医師から反対に馬鹿にされ、完全に孤立無援の状況に陥ったようです。そして、ひどいことに、「安全性が確認されるまで接種中止を」と求める声が多くあがったにもかかわらず、健康当局は接種を強行していること(日本の厚労省、海外と比べれば多少は良心的だった…)。そして、「被告らは(ガーダシルの危険性を)知っていながら知らないと述べているのは、悪意に満ちた欺瞞であり、あきらかに刑法✖✖条に違反する。接種は機能、感覚障害、不妊症、インポテンツ、先天異常、精神障害などをもたらしており、被告は半年以上12年までの刑に処し処罰されなければならない」と求めています(訳はアバウトなので必ず原文を見てね)。

 なんと胸がすく記事か。
 実は私もちょっと調べましたが、メーカーによる治験のいい加減さ、被害発生を充分予見していたこと、あげくはメルク社の開発担当者自身が告発しているなど、恐怖の事実がゾロゾロでてきました。もちろんFDAもCDC(日本の厚労省も)もすべてを知って許可している。つまり、HPVワクチンは初めから「悪意のショット」だったのです。だから、こういう悪徳企業追及の声が出るのはあたりまえ。 
 日本では「HPVワクチンの完全中止」さえ求めていません(定期接種から外せ、という穏やかな主張だけです)。これは、被害者とその家族にとっては、補償を得るのが最優先だからという政治的判断から出ているのかもしれませんが、実は、そのためにはメーカーと行政に非を認めさせなければなりません。
単なる過誤であろうが、意図的であろうが、そこを認めさせない限り、「安全」としているワクチンの副作用に補償を出すことはありえないからです。

 日本の薬害被害者の運動はだいたい湿りがちで推移してきましたが、HPV
ワクチンは、今、これまでの2価、4価ワクチンから一歩進んで、8価ワクチンの販売が秒読み状態なので、今こそ被害者は当事者として「戦って」ほしいと思います。2015.4.7

Gardasil vaccine: Spain joins growing list of countries to file criminal complaints against manufacturer:http://www.naturalnews.com/049256_Gardasil_HPV_vaccine_Spain.html

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/