まず、クロロキンについて続報が入っているので、そちらから。
Coronavirus Sweden: Chloroquine trials stop due to side …
2020/04/08 –www.dailymail.co.uk › article-8199477
スウェーデンの病院では、クロロキンによるコロナ治療の治験を中止した。多くの患者に、クロロキン錠剤を投与されて数日以内に、けいれんや頭痛、そして周辺視力喪失(目に見える範囲が狭くなる)などが現れたためだ。3月23日に発病、コロナ陽性とされた40歳の男性患者は、1日2錠のクロロキンを投与され、数日後に、「ひどいけいれんと周辺視力喪失が起きた。頭痛ときたらまるで高圧の工場に足を踏み入れたようだった」と副作用の激しさを語る。医師らは「クロロキンの副作用は当初考えていたよりずっと深刻だ」「100人に1人は心臓発作につながる動悸異常を起こす可能性がある」「コロナ治療に有効かどうかわからない」としてクロロキンによる治療を止めたとのこと。EU、米、中国は、重体のコロナ患者にクロロキンを試験投与することを認めていますが、イギリスは安全性と有効性の懸念から、臨床試験が完了するまで使用を禁じているとのこと。イギリスでトップの救急医療医師のアンソニー・ゴードン教授は、この薬がコロナウイルスを治療できる「強力な証拠はまだない」と語った。
前記事で書いたクロロキンの副作用が実証されたわけです。ところがこんな危険なクスリの「有効性」を確かめるよう、各国に呼び掛けているのがWHO。「一刻も早く治療薬を見つけ出す」ことを目的、できるだけ多くの国と参加者を得て一斉治験にかかれるよう、「Soridarity Trial (連帯治験)」というプロジェクトを立ち上げているのです。4月21日時点ですでに100か国が参加。
候補薬は以下の通り;
①レムデシビル:エボラ治療に使われたことがあり、動物実験では、MERSとSARSに対する有効性が認められている。
②ロピナビル/リトナビル:HIV治療薬として承認されている。COVID-19、MERS、SARSに対する症状の改善や感染防止の証拠はまだない。実験では、この組合わせはCOVID-19に有効な兆候を示したが、実際の患者に対だする研究結果は非決定的だった。
③インターフェロン ベータ―1a :多発性硬化症に用いられている薬剤。
④クロロキンととヒドロキシクロロキン:密接に関連する薬剤で、それぞれマラリアとリウマチの治療に使用されている。小規模研究では、クロロキンリン酸塩がコロナ肺炎に有効なとの兆候もあったが、なおランダム化比較試験が必要だ。
もちろん「連帯」とは口実で、実は、企業のために各国の人々を実験台にする国際的ランダム化比較試験の取り組みと言うべきでしょう。だから薬剤は企業が喜んで寄付し、実験台は参加国の政府・病院が喜んで調達。もちろん文書によるインフォームドコンセントや、薬剤のリスクとベネフィットのきちんと説明する必要がありますが、多くの場合、リスクの説明はパスされがち。だからスウェーデンのようなことがおきるのです。この「連帯治験」プロジェクトにおける副作用被害は、今後も続くことでしょう。
2020.4.27