アメリカから「ワクチン亡命」もあり得る

 前記事の続き。NJ州のワクチン強制法(不成立)は、実はひとつだけではなく、業界は周到に準備していたことがわかりました。

以下関連サイトhttps://vaxxter.com/new-jerseys-cradle-to-grave-vaccine-crisis-show-up-or-lose-your-rights/から、状況をごく簡単に紹介します。

 まず、NJ州では今年発生が確認された「はしか」はわずか19件でした。NY州やカリフォルニア州よりずっと少なく、全米で最も厳しいワクチン強制法を導入する必要はまったくなかったのです。同州が守りたかったのは、市民の健康ではなく、ワクチン利権だったのですね。

 次に、そのワクチン利権を確保するために、業界は、議員を使ってたくさんの法案を出していました。

S2173 は、幼児から大学生までを含めた子どもたちに、スケジュール通りのワクチンをすべて接種させようという法案。完全接種しないと、公立/私立の別なく、すべての学校から締め出されるという、きわめて乱暴かつ全体主義的な法案でした。

 この法案の上院での審議にも、防火上の問題になるほど多くの州民が詰めかけましたが、法案は5対4で通過したのです。この時、1600人もの宣誓供述の申し込みに対し、証言を許されたのはわずか14名。また、採決前に、法案に賛成を表明していた民主党議員3名をそうでない議員と差しかえるということまでやっています・・・そういうこともあって、下院の審議には一層大勢の市民が押しかけ、同法の成立を防いだのですね。

 恐ろしいのは、S2173に関する付属法案・・・こういう手まで使うとは、初めて知りました。

 

A3818 は昨年上程され、やはり「宗教的理由によるワクチン免除」の削除を求めていました。

A1991 上記二法案を補佐する法案。大学生に「脳炎ワクチン」接種を義務づけるもので、もし上二つが通過しなければ、この法案にもとづいて学生に「ワクチン接種」を指示できるというもの・・・周到ですね。

S1003 は、ヘルスケア現場での就業条件としてインフルエンザワクチンの接種を義務付けるもの。免除は認められず、「代わりにマスクを」ということも許されないとのこと。

A1576 も、特別なヘルスケアに携わる人々にインフルエンザワクチン接種を求めるもの。

S754は、昨年出された法案で、薬剤師や製薬企業の従業員にワクチンを接種する権限を与えるもの(信じられない。これじゃあ、医師も要らないじゃないか!)

A1847 6歳から12歳までの子供たちすべてにHPVワクチンのガーダシル接種を義務付ける法案。(幸い、昨年のうちに市民の反対で止まった。)

S634 A3587 ヘルスケア産業界に、より厳しいワクチン政策を指示したり、ワクチン免除を狭めたりするための権限を与える制度の確立を狙った法案。
 

 つまり、NJ州では、行政も議会も医薬産業界にコントロールされているわけです。この状況を受けて、もし法案が成立したら、子どもを学校に行かせない、ひいては州を離れる決心をしている市民も多いとのこと。いずれ、アメリカから「ワクチン亡命」を選ぶ人も出てくるでしょう。2019/12/27 

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/