アトミック・カバーアップ(原爆隠蔽)

「1945年8月6日、米のB-29は広島市中心部に初めての原子爆弾を落とした。それによって125,000人が死亡した。その80%は民間人だった。その三日後、長崎市の上空で二つ目の原子爆弾がさく裂し、少なくとも75,000人の命を奪った。そのほとんどは民間人だった。」

 米軍の命を受け、現地に入ったカメラマンはカラーフィルムで街や被害者の惨状を撮影し続けた。同時期、日本人のクルーも白黒フィルムで撮影していた。完全にフラットになり、建物一つない長崎の様子は衝撃的。↓はトレイラー。長い版はこちら→https://www.thirteen.org/programs/atomic-cover-up/atomic-cover-up-xmpc9h

・・・しかし、人々の反感を恐れ、米軍はこれらの写真や動画をすべて「機密資料」とし、固く公開を禁じた。そして、この原爆被害の隠蔽(アトミック・カバーアップ)は今なお続いている。そのため、米には、原爆は「戦争を終わらせるためのやむを得ない手段だった」というデマを今なお信じる人々がいる。日本人も、8月6日と9日、そして8月15日が終わると、すぐ戦争のことも原爆のことも忘れてしまう。それどころか、日本政府はこれまで、決して加害国アメリカに原爆投下の責任を取るよう迫ったことはない。属国の立場に甘んじ、戦争責任を追及してこなかったことが、米=イスラエルの暴走を許していると言っていい。

 でも、今年は多少の変化が。長崎市長は平和式典にイスラエルを招待せず、外交問題に発展したのだ。これに対し、あろうことか、米初めいくつかの国はイスラエルの招待を強く求め、結局、式典に参加しなかった。なお、広島市は被爆者団体等からの申し入れにもかかわらず、イスラエルを招待し、地方自治体としての姿勢が真っ二つに分かれた。」

長崎市長、判断変えず イスラエルの平和式典への不招待 「平穏 …

米欧がイスラエル招待を要求 先月中旬に長崎市へ…平和祈念式典への不招待巡り 米大使は欠席へ  

平和記念式典のイスラエル招待 被爆者団体が見直し申し入れ … 2024年6月10日広島市がことしの原爆の日の平和記念式典にロシアなどを招待しない一方、イスラエルを招待することについて、被爆者団体が…

上のトレイラー版の最後に、撮影者の衝撃的な言葉がある。「不思議なことに、これほど悲惨な状況にありながら、泣いている人は見かけなかった。彼らは黙って痛みに耐えていた。これは日本人の特徴だろう。彼らは自分たちが戦争を始めたことをある程度恥じていた」

・・・日本に同情的なこのカメラマンは、被爆し被災した人々がどんな状況にあり、日本国政府が人々をどうやって「支配」していたのか、何も知らない。ましてや、この蛮行に及んだアメリカという国の「行動原理」など何も考えていない。・・・だからこそ、彼は、戦場カメラマンとして、この貴重なフィルムを残してくれたのです。2024.8.16

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/