3月18日に起きたフクイチの停電事故で、東電は3月25日に「原因はネズミ」と発表。3月28日には報告書(http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/handouts/2013/images/handouts_130328_01-j.pdf福島第一原子力発電所1~4号機 所内電源系の停電事故について)を出して、このように↓幕引きしています(数字山本)。
①ネズミが仮設3/4号M/C(A)に侵入
②ネズミが充電部に近接したことによりアークが発生し、相間短絡から三相短絡に進展、系統に過電流が発生
③B系の電気系統が不安定になり、電圧低下が発生
→→電圧変動の影響を受け1号SFP(二次系)、窒素ガス分離装置(B)が停止
④過電流を継電器が検出し、しゃ断器を動作させ事故電流をしゃ断※
(※同一整定をしていた継電器が同時に動作したことから3箇所のしゃ断器が動作)
⑤しゃ断された仮設3/4号M/C(A)およびプロセス建屋常用M/Cが停電
→→3号SFP,4号SFP,共用プール冷却設備他が停止
さてそこで問題;
★メルトダウンを起こした原発に「停電」を回避するシステムがなかったのはなぜ?(2年間もサボタージュしてた理由は?)
★メタクラの遮断機が先に作動しており、「瞬停」の原因もすぐにわかったはずだが、原因箇所の特定に丸一日かかった理由は?(放射能のせいって、当日朝も点検してるのに)
★遠隔監視システム(Webカメラ等)の一部が作動しなくなったのはなぜ?(制御サイトは遠隔地のはずで、こういう事態が起きるのはカメラ=レンズに異常があったとしか思えない。 カメラはどこにあり、なぜ監視不能となったのか?)
★ネズミの侵入経路は?(調査のためシートをはがしたので、侵入経路が不明になったって?)
★ネズミが充電器(高圧の)に触れてアークが発生した、とあるが、アークは高熱と強い光を伴う爆発現象とされる。機器も(「すすけた」程度)ネズミも(腹部に「アーク痕」)原型を保っているのは解せない。(注)
★現在の電気システムは、監視も含めすべてコンピュータ制御と考えられるが、そのコンピュータの異常があったのではないか。
…ま、最後のクエスチョンが、STUXNETを疑う所以なのですが。
注:「アーク」について、日本のサイトではこういう説明がありました。
「仮に6,600Vの電線を短絡させると、大きな音と光を発し、熱を伴う爆発が起きる。接触した部分は、跡形も無く消え去り、周囲約 1 m範囲の電線や碍子等のほとんどは金属蒸気となって消失する。高電圧は、それほど大きなエネルギーを秘めている」
http://www.crane-club.com/study/mobile/shock.html
海外文献では、「アークは最高2万度にも達する熱とまぶしい光を生じ、銅やアルミなど伝導体の金属はすぐ気化し、その金属蒸気が爆風となり、緩んだ部品などは弾丸のように飛んでゆく」なんて書いてあります。http://www.vrielink-es.com/what-is-arc-flash-hazard
これらのことから、3月18日に起きたフクイチの停電は、事故ではなく「事件」だったのでは。つまり、「原因はすぐにわかったが、近づけなかった」のかもしれません。ま、いずれにしても東電の闇は濃い。2013.4.6
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