「科学者の無責任」をほうっておいていいのか!

 フクイチ「6年目」を目前に、怪しいニュースが続いています。「記念日」に注目が行くことを見越してのタイミングで、核融合実験の開始も同様か。

核のごみ”ずさんな管理 茨城・東海再処理施設

2017/03/06() 11:55 (動画)http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000095779.html

首都圏にある核燃料の再処理施設で、水中に保管されている放射性廃棄物が取り出せなくなっているなど、ずさんな管理状態にあることが分かりました。濁った水の中に見えるのは、高レベルの放射性廃棄物が入ったステンレス製の容器です。茨城県東海村にある原子力機構が管理している東海再処理施設では、使用済み核燃料を再処理する過程で出た廃棄物が800個の容器に入れられ、プールに仮保管されています。外部への放射線の影響はないものの、プール内では容器のワイヤーが絡まるなどしているため、今のままでは取り出して処理することができません。環境保全部・小坂哲生部長:「古い設計なので、当初は取り出しが考慮されていない遠隔の装置を開発して取り出す必要があります。それが課題」この施設には使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出す設備などがありますが、すでに廃止が決まっています。プール以外にも極めて高レベルの放射性廃液など、膨大な“核のごみ”が保管されています。原子力機構は70年かけて施設を廃止する計画ですが、かかる費用の総額は分かっていません

 記事もひどいし、「ワシは関係ない」と言いたげな部長氏の態度にも腹が立つ。

 当時から高レベル放射性廃棄物を安全に処理する方法などないことはわかっていたし、だからこそ、当時の関係者は、「取り出し」どころか、一時保管のまま「忘れられる」ことを望んでいたはずです。それに、たとえ取り出せたとしても、記事が示唆しているような処理法は今もなく、別のところへ保管するしかないのです。この記事で腹を立てた人もいるでしょうが、忘れっぽい日本人は、おそらく二日後の「フクイチ記念日」のニュースで、すぐにその怒りを忘れるでしょう。一方も、原発推進派としては、記事が出たことで、「遠隔装置開発」「施設廃止関連費用」などへの国の予算が期待できるわけ。なかなかいいタイミングです。

 フクイチのメルトダウンも、終わりの見えない放射能汚染も、危険性を隠して行われる核融合実験も、「いわゆる科学者」の責任です。科学者とは研究への欲望だけが肥大化した無責任な子どものようなもので、「科学的目的」のためなら、どれだけ費用がかかろうが、どれだけ汚染がひどくなろうが、人々を苦しめようが、自分たちが何をしても許されると思っている。彼らは、自分たちの研究は聖域だと信じているようですが、どんな技術開発も、それに伴って生じる廃棄物の処理の技術が確立していなければ、やってはいけません。それが、社会的人間としての科学者や技術者の務めnはずです。特に、核開発は(原発、核融合、核兵器含む)は、導入された頃から、廃棄物処理が不可能なことがわかっていた、つまり、やってはならない技術でした。それを強行したために、地上は汚染だらけになってしまっているのです。動画で、「取出しが必要」と述べている部長氏は、「研究費・開発費を出せ」と言っているだけで、本気で高レベル放射性廃棄物を処理しなければなんて、これっぽっちも考えていないから。

 それで通るのが日本です。カネと面子のブラックワールド。日本の無責任科学者をほうっておいていいのか? 彼らに責任を取らせたい。2017.3.9

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/