今年は年明け早々、「新型コロナウイルス」による肺炎感染のニュースがしきりと報道されています。米国人やロシア人が特別機で中国から退去する、患者一人が三人に感染するなどと聞くと、「ただごとはない」と感じる人も多いでしょう。
肺炎、1人から3人以上にうつる 感染力、WHO見解上回る可能性
2020/01/27 16:04 共同通信社 新型コロナウイルスによる肺炎の感染力は、世界保健機関(WHO)の公表見解よりも強いとする報告が相次いでいる。調査をもとに1人の感染者から平均で何人にうつっているかを示す数値で、WHOは先週、暫定的に1.4~2.5としたのに対し、香港や英国のチームは3以上と推定した。公表された数値は香港理工大などのチームの推定値が3.3~5.5、英ランカスター大などのチームの推定値が3.6~4。中国当局は26日「(当初の推定よりも)感染力がやや増してる」との見解を示している。感染力は1より大きいと感染の拡大、1より小さいと将来的な自然消滅を意味する。
この「新型肺炎」騒ぎで思い出すのは2009年のH1N1ウイルスによる「豚インフルエンザ」騒動です。当時、山本は中国滞在中。豚インフルは北米を中心に広がったので、当時はあまりニュースも入らず、ずいぶん後になって、薬剤メーカーがワクチンを売り込むために、医薬産業界やWHOに圧力をかけ、「世界的流行(エピデミック)」を宣言させたことを知りました。ま~、医薬産業界の「自作自演」ぶりはこれが初めてではありませんけどね。
でも、WHOがエピデミックを宣言した以上、各国には豚インフルの感染阻止のための「国際的努力」が求められます。それに輪をかけたのが、メディアの大々的な「危険性」の煽り報道。かくて、日本政府も、感染サーベイランス、報告制度、予防接種などの対応策を実施し、大枚をはたいて治療薬(タミフルなど)やワクチン備蓄を進めました。
そして2009年10月1日、厚労省はワクチン接種の基本方針を出します。最初の豚インフル発生報道から約半年後には、すでに何千万人分ものワクチンが用意されていたという手回しのよさでした。しかし、豚インフルは、病状も穏やかで死亡率も低く、WHOが予測したような大流行など起きませんでした。そして、大量に備蓄された医薬品はそのまま残り、タミフルによるさまざまな事故や、豚インフルワクチンによる百名以上の死者を出してしまったのです。ワクチン被害者は高齢者に多く、厚労省はその被害者救済のための法律を制定する羽目になりました。
今回の新型肺炎騒ぎにはメディアによる危険性の煽りが大きく、背後でCIAや医薬産業界による感染症パニックが仕掛けられていると感じます。CIAを持ち出すのは、これが一種の「中国叩き」であり、そこには過去のSARSやMERSなど、生物テロを疑うに足る背景があるから。いずれにしてもセンセーショナルな報道に惑わされず、過去の歴史から現実を判断するようにしてください。2020.1.27