ディズニーランドでうつされたはしかが瞬く間に全米に広がった、その原因の一部はワクチン未接種者のせい、というUSATodayの記事Jail ‘anti-vax’ parents: Column – USA Today「ワクチンか、投獄か」に、各方面から一斉に反発があがっています。意図的な情報操作が疑われますが、「全米ワクチンインフォメーションセンター(NVIC)」のバーバラ・フィッシャー氏は、単に疑問を持つだけでなく、この件を市民権に対する「宣戦布告」ととらえています。その説得力のある反論をまとめてみました(注:逐語訳ではなく、編集・省略・加筆を含む山本の超訳です。原文は⇒http://www.nvic.org/NVIC-Vaccine-News/January-2015/measles-in-disneyland-
third-mmr-shot-and-vaccine.aspx)
「・・・全米の人口は3億2千万人。カリフォルニアだけでも3800万人が住んでいるのに、メディアは奇妙なことに、確定された51人件のはしかをもって「流行」とし、ワクチン反対派を「無知だ」と責め、魔女狩りしようしています。小児科と感染症の専門家であるUCLAのジェームズ・チェリー医師も、恥ずべきことに「愚かな親がいる。中にはおそろしく自分勝手な親もいる」などと、ワクチン反対派を公然と侮蔑するありさまです。
しかし、アメリカのワクチン接種率は非常に高いのです。アメリカの子供たちは16種類69回のワクチンを「推奨」されていますが、はしかワクチンを含むMMRも、95パーセントの子どもが幼稚園入園までに2回接種しているし、13歳から17歳までのMMR接種率も92パーセントにのぼっているのです。3歳以下でワクチンをまったく受けていない子どもは1パーセント以下、92パーセントは1回以上のMMRを受けており、中には接種率が100パーセント近い州さえあるのです。
チェリー医師によれば、はしかワクチンの接種率が90%を超えれば「集団免疫」がつく、とのことですが、アメリカは1981年からMMRを取り入れており(当初1回、2000年以後は2回)、だからこそCDCも2000年に「アメリカにおけるはしか根絶」を宣言したのです。それにもかかわらず、2014年には644件のはしかが報告されました。
はしかウイルスがアメリカから根絶されなかったのは明らかです。他の国からも根絶されなかったように、そして多くの科学論文が示しているように、これまでも、これからもーーMMRワクチンがすべての人類に義務付けられようとーーはしかウイルスが消えてなくなることはありません。では、なぜ、51件のはしかでこんなに大騒ぎをするのでしょうか?
政府はインフルエンザワクチン(フルショット)が効かなかったこと、フルショットを断った従業員が解雇されていること、フルショットのおかげで病気になった人も多いことなどから、人々の目をそらしたいのかもしれません。しかも、毎年フルショットを打ち続けていると、「有効性」が下がるとの報告もあります。(山本注:これは「訴訟大国」アメリカで、今後大きな問題になるはず)。
百日咳(pertussis)ワクチンもインフルエンザワクチンと同じように、失敗しつつあります。最近、カリフォルニアや他の州でB-百日咳(山本注:グラム性桿菌による感染)が増えていますが、その患者の多くは百日咳ワクチンを受けていました。アメリカでは30年前にも百日咳のアウトブレイクがありました。実は、百日咳のワクチン接種者はーーたとえ本人に症状はなくてもーー周辺に百日咳を拡散しているという多くの論文があり、政府もついにそのことを認めました。(参考:42 FDA. FDA Study helps provide an understanding of rising rates of whooping cough and response to vaccination. Press Release: Nov. 27, 2013.) 上述のチェリー医師でさえ、アメリカでは毎年、B-百日咳と診断されない患者が何百万人もいることを認め、2013年には「B-百日咳も百日咳ワクチンでも長期的な免疫はできない。百日咳はあらゆる年代でくり返し流行るものだ」と述べています。昨年、カリフォルニアでおきたはしかの流行でも、20パーセントはワクチンを受けていました。今回の「ディズニーはしか」の件でも、CDCは12パーセントはMMRワクチンを受けていたと述べています。
ワクチン(特に生ワクチン)接種者は、ワクチンウイルスに感染し、ウイルスをばらまいているのは、MMRワクチンでも同じです。「ワクチンではしかにかからない」という神話は崩壊しかけているのです。ところが、チェリー医師は、テレビで「はしかワクチンの効き目は減衰する」、「問題の解決には大人にも追加のMMRワクチンを」打つしかないと言い始めました。とんでもない不意打ちです。しかし、大人に対する接種の強制が難しいのはわかっているので、「解雇」や、今回のような「投獄」を持ち出して脅しているのでしょう。
これらのことから、もし3回目のMMRワクチンを導入するとすれば、対象は高校生と大学進学を控えた人々、それも、カリフォルニアの住民だと予想できます。なぜなら、2013年、ワクチン除外規定を認めない法案を通そうとロビー活動していたパン医師が、今回も新たな法案を用意していると述べているからです。この法案が通れば、宗教上、信念上の理由でワクチンを拒否することは難しくなるでしょう。これは、ディズニーランドという、最も楽しい場所で発生した「はしか」を口実に、ワクチンの失敗を隠し、さらにワクチンを増やそうとした虚偽広告です。
ワクチンを拒否する人々は、人権保護、インフォームド・コンセント、知る権利-公衆の学ぶ権利、(正しい)医療ケア、雇用など市民の権利を求めて活動していますが、ワクチン推進のロビー活動の裏にいる巨大な製薬企業は、それらの活動の禁止を求めているのです。
これははっきりした宣戦布告です。
現在、アメリカ人には次の選択肢があります。「自分で決める」という人権を守るために立ち上がるか、あるいは法律上免責されている製薬会社と政府がその権利を奪い去るのを許すか。どうぞ NVICAdvocacy.org を訪れ、問題と対処法を学んでください。そして、もしワクチンを受けてしまって問題が起きたら、私たちに報告してください。経験を共有しましょう。これはあなたの健康、あなたの家族、あなたの選択なのです」
バーバラ・フィッシャー氏は、息子が1980年にDPT(三種混合ワクチン)被害にあったことから、NPOを立ち上げて市民教育を続けている人です。今は30代になった息子は、障害を抱えながらも活躍しているとのことですが、アメリカでは、こうした被害者を「サバイバー(生き残った人)」と言います。レイプや犯罪被害と同列で捉えられているわけで、これはワクチン被害がいかに暴力的で許せないものであるかを意味しています。2015.2.3