都の下水道エネ基本計画がこわい理由

 というわけで、第一号の再エネ関連記事は東京都のニュース。・・・これが、怖い。

都、下水道のエネルギー使用抑制 エネ基本計画を策定

2014/6/18 0:30 http://www.nikkei.com/article/DGXNZO72886820X10C14A6L83000/

 東京都は下水道事業で初のエネルギー基本計画を策定した。下水の高度処理で従来より使用電力を2割以上削減する新技術を導入するなど省エネルギーを進めるほか、再生可能エネルギーの活用を拡大する。2020年五輪に向けてエネルギー先進都市としてアピールし、環境技術を世界に発信する。基本計画の名称は「スマートプラン2014」。再生エネでは1000キロワット級の大規模太陽光発電施設(メガソーラー)を15年度までに南多摩水再生センター(稲城市)など2カ所に導入する。既に15カ所に計660キロワットのソーラーパネルを設置しているが、下水道施設の広大な敷地を利用し、太陽光発電の大規模化を進める。このほか地下を通る下水の温度が1年を通じてあまり変わらない特性をオフィスビルの冷暖房に生かしたり、処理下水の放流時の落差による小水力発電の導入施設を増やしたりする。

 省エネに向けた処理施設の改善では、廃水から窒素やリンを取り除く高度処理で、電力を大量に使う巨大な撹拌機を使わずに済む新方式を開発した。送風機を使い、水槽内での水の循環を工夫することで、従来と同じ水質を確保しつつ電力を2割以上減らせる。15年度までに芝浦水再生センター(港区)など3カ所で試験的に導入。性能を確認した上で20カ所の水再生センターに順次導入する。汚泥焼却の廃熱利用も拡大する。低温で沸騰する特殊な液体を使う発電機を新たに導入し、これまでは大気中に放出していた350度以下の比較的低温の廃熱を発電に回し、焼却炉の運転に必要な電力の一部として再利用する。1618年度に清瀬水再生センター(清瀬市)など2カ所、1924年度に八王子水再生センター(八王子市)など3カ所で取り入れる。

 都の下水道は都内全体の電力使用量の1%強を占める。電力と燃料を合計した総エネルギー使用量は、設備増強などで24年度には13年度比で1割程度増える見通し。省エネ技術や再生エネの活用で、環境への負荷を最低限に抑える。総エネルギー使用量に対する再生エネの割合は、省エネ対策で実現したエネルギー削減量との合計で13年度の5%から24年度には20%以上にすることを目指す。

 いずれも有効性も安全性も、ついでに「経済性」も検証されていない「新技術」。私が都民なら、これらの施設の建設にかかるエネルギー、稼働の際のエネルギー、廃棄の際の処理にかかるエネルギー及びそれに伴う毒物管理(原発のような)のエネルギー及びコストを、現システムと対比させて出させますけどね。もちろん、企業はメリットだけしか並べないでしょうけど、今の自治体には「疑う」能力なんてないんだから困ったものです。

 特に気にかかるのが「下水汚泥焼却」をいまだに続けていること。フクイチ事故後、関東地方の自治体のほとんどが、下水汚泥の放射能汚染を体験していますが、最悪だったのは、がれきを喜んで受け入れた東京都。今でも、都の下水汚泥は高濃度の放射性物質を含んでいます。その数値もかなり高い。下は、平成26年6月13日、東京都下水道局が発表した汚泥焼却灰の放射能のデータです。

         「下水処理における放射能濃度等測定結果」

施設名

ヨウ素131

セシウム134

セシウム137

東部スラッジプラント(江東区新砂)

不検出(<26)

310

810

葛西水再生センター (江戸川区臨海町)

不検出(<32)

600

1,800

みやぎ水再生センター(足立区宮城)

不検出(<27)

380

1,100

新河岸水再生センター(板橋区新河岸)

不検出(<27)

280

720

南部スラッジプラント (大田区城南島)

不検出(<24)

230

740

北多摩一号水再生センター(府中市小柳町

不検出(<24)

180

420

南多摩水再生センター(稲城市大丸)

不検出(<25)

90

160

北多摩二号水再生センター (国立市泉)

不検出(<29)

360

1,000

浅川水再生センター(日野市石田)

不検出(<15)

28

93

多摩川上流水再生センター(昭島市宮沢町

不検出(<18)

42

170

八王子水再生センター(八王子市小宮町)

不検出(<22)

120

280

清瀬水再生センター(清瀬市下宿)

不検出(<20)

52

180

(試料採取日5月22日~6月3日、単位:Bq/kg)http://www.gesui.metro.tokyo.jp/oshi/infn0831.htm

 これに対し、やはりがれきをせっせと受け入れていた宮城県はどうかというと:

セシウム134

セシウム137

合計

仙塩浄化センター(多賀城市)

検出限界未満

検出限界未満

検出限界未満

セメント利用可

県南浄化センター(岩沼市)

検出限界未満

12

12

セメント利用可

2014年3月13日発表http://www.pref.miyagi.jp/release/ho20140331-1.html

ね、ケタが違うでしょう? 何かが違うんです。都は汚染された下水汚泥を、何のためらいもなく焼却しているだけでなく、いろんな筋から産廃も入れているのではないかと思われます。都民はすべてを見ないふり。この二つが合わさってできた下水道エネルギー基本計画が何をもたらすか、今から予想がつきそう。2014.6.18

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/