淀江産廃処分場計画、次の「意見調整会議」も大荒れでは?

   鳥取県米子市の産廃処分場計画で続編が入っています。

 

淀江の産廃処分場 意見調整会議 来月10日再開

日本海新聞H31.2.26  米子市淀江町小波の産業廃棄物管理型最終処分場計画で、鳥取県は25日、中断していた事業者の県環境管理事業センターと計画に反対する下泉自治会の意見調整会議を県西部総合事務所で310日に再開すると発表した。会議は昨年1216日に開かれたが、約3時間が経過したため中断となっていた。 県によると、自治会の7人と同センター、県の担当者が出席。前回に続いて傍聴者は別室のモニターで会議の様子を視聴することにしており、県は「前回の会議が円滑に進んだことから、引き続きこの対応でお願いしている」と説明。一方、自治会の一人は「傍聴者も同室に入れるよう申し入れる」と話している。(田子誉樹)

 「意見調整会議」とは、事業の実施を前提に、住民の「話を聞く」フリをして、計画の正当化をはかるための会です。当然、住民がおとなしくこの会議に応じるはずはなく、たとえば、昨2018年11月に行われた意見調整会議は大荒れでした。

 これに関しては本ブログの記事 米子産廃、意見調整会議、4分で「流会」をどうぞ。

 また当日の住民の動画も面白い。https://www.youtube.com/watch?time_continue=24&v=uo9uMRJKiMg

 「49分」と出ますが、実際は3分ほど。住民側は、会議に応じる条件として説明会議事録を得られなかったことに抗議し、抗議文を読み上げているのに(こういう場合、記録は事業に有利なように改ざんされていることが多い)、事業者が平然とあいさつ文を読み上げている様子を見ると、行政組織など要らないと感じられる人も多いでしょう。こんな連中が「税金で産廃処分場」建設を考えついたのだろうし、環境プラント工業の違法行為も見逃し、何もなかったかのように計画を勧めようとしているわけです。

 なお、上の記事には「前回の会議は円滑に進んだ」とありますが、これもまちがい。

 実際は、2018年12月16日に行われた前回会議も、傍聴席を別室に設けることをめぐって、やはりもめたのです。

 以下は現地の「大山ふもとの自然環境と米子の水を守る会(以下「守る会」)の説明です。多少編集しました。

 

 「守る会」は昨年1216日の意見調整会議で、傍聴席を別室に設けたことに抗議文を出しましたが、それに対して、事業者は「会議中に傍聴者の発言が相次いだ」「一部の傍聴者が机を倒す等、会議の運営に支障が出る行動があった」と回答し、次回も別室で傍聴を行うと述べていました。しかし「会議中に傍聴者の発言が相次いだ」のは、県担当者の会議の運営のまずさに対して傍聴席から抗議の発言をしたものであり、その原因は県の方にあります。しかも、傍聴規定には、「違反したときは注意し、なおこれに従わないときは、退場していただく」と書いてあるのだから、規定通りに退場させればよいので、傍聴席を別室に設けるなど、民主主義のかけらもないやり方です。

 これまでの意見調整会議に出席した関係住民からも、事業説明会の議事録の提出、説明用のパワーポイントの使用願い、出席した関係住民の方が耳が不自由なため、奥さんが聞き取りをしたいとのお願いなど、会議を円滑に行うための要望が出されましたが、県の担当者は聞く耳を持たない対応でした。そのような対応を見てきた傍聴者から出た抗議の発言であって、どちらに非があるのかは歴然です。また、「一部の傍聴者が机を倒す等、会議の運営に支障が出る行動があった」 とありますが、私たちの会員に聞いたところ、机が倒れたことを確認した人は誰もいませんでした。ありもしないことを傍聴者の責任にするのは許せません。また、関係住民や傍聴者が詰め寄ったのは、県が会議を一方的に打ち切った後であり、会議終了後の行動をとらえて、「会議の運営に支障が出る行動があった」とする回答も許せません。

 日本海新聞は、県は「前回の会議が円滑に進んだことから、引き続きこの対応でお願いしている」と報道していますが、傍聴者を別室に追いやって、抗議の声を封じ込め、「円滑に進んだ」などというのは、公務員の発言とは思えません。公務員の服務義務には、「国民全体の奉仕者として,公共の利益のために勤務し」と規定されていますが、住民無視のやり方は許されません。次回の意見調整会議は、傍聴者も同じ会議室で傍聴できる正規なやり方に戻すべきです。 (文責:山根一典)

 

 というわけで、10日の意見調整会議も相当もめるでしょうね。

 廃棄物行政は限りなく組織犯罪に近い部分があります。ウソを事実といいくるめ、裏金(地元住民対策費)をばらまいて地元が賛成であるかのように操作し、ネガティブキャンペーンで反対派を悪者にし、着工にもってゆくのですが、その理由は、今の廃棄物処理施設には何百億円という大金がつぎこまれるから。そう、金は悪を呼び込む。でもこの事業予定地は多くの湧水に恵まれた水源地です。それは予定地の地名が、小波上、小波下、淀江など水を意味する言葉が多いことからも伺えます。そこにごみ処理施設を造れば、水も土地も必ず汚染されるのは前記事で書いた通り。鳥取県がこのような環境犯罪に手を染めるのは、常識的にも考えられず、業界からの政治資金が相当回っていることが想像できます。地元新聞ならそのへんをきちんと調査し、報道せんかい。2019.2.28

この記事を書いた人

山本節子

調査報道ジャーナリスト・市民運動家。「ワクチン反対市民の会・代表」。
立命館大学英米文学科卒業。中国南京大学大学院歴史科修士課程卒業。
住民運動をベースに、法令や行政文書を読み込んで、自治体などを取材するという独自のスタイルで、土地開発や環境汚染、焼却場・処分場問題に取り込み、数々の迷惑施設事業を阻止して来た。2011年以降、福島原発汚染がれきの広域処理、再エネ、ワクチン、電磁波などもカバーしているが、昨年からはコロナ問題に全力で取り組み中。市民育成も手掛けている。著書「ごみを燃やす社会」「大量監視社会」等多数。
ブログ「WONDERFUL WORLD」https://wonderful-ww.jp/